富士宮市議会 > 1997-03-04 >
03月04日-05号

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  1. 富士宮市議会 1997-03-04
    03月04日-05号


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    平成 9年  2月 定例会(第1回)                   平 成 9 年                富士宮市議会2月定例会会議録                    第 5 号                平成9年3月4日(火曜日)       ────────────────────────────────1.議事日程(第5号)             平成9年3月4日(火)午前9時 開議  日程第1 一般質問(4人)       ────────────────────────────────2.本日の会議に付した事件  議事日程(第5号)に同じ       ────────────────────────────────3.出席議員(22名)      1番  佐 野 守 茂 君        2番  佐 野 清 明 君      3番  手 島 皓 二 君        4番  望 月 光 雄 君      5番  古 川 日出男 君        6番  笠 井 賢 一 君      7番  望 月 孝 一 君        8番  日 原 貞 二 君      9番  須 藤 秀 忠 君       11番  小 室 直 義 君     12番  土 谷 虎 雄 君       13番  渡 辺 利 光 君     14番  石 川 昭 夫 君       15番  佐 野 堯 春 君     16番  太 田 美 好 君       17番  青 嶋 大 路 君     18番  朝 日   昇 君       19番  塩 川 賢 継 君     20番  河原崎 澄 雄 君       21番  上 杉 義 正 君     22番  芝 田 静 雄 君       24番  赤 池 賢 治 君       ────────────────────────────────4.欠席議員(2名)     10番  伊 藤 高 雄 君       23番  遠 藤   正 君       ────────────────────────────────5.事務局職員出席者(7名)  事務局長    石 川   弘 君    事務次長    勝 又   肇 君  主幹兼                  主幹兼     議事係長    鍋 田   昇 君    庶務調査係長  太 田 精 一 君  主任主査    望 月   斉 君    主    査  古 郡 和 明 君  書    記  佐 野 史 俊 君       ────────────────────────────────6.説明のための出席者(74名)  市    長  渡 辺   紀 君    助    役  赤 池 金 彦 君  助    役  中 島   孝 君    収入役     上 杉 六 郎 君  市立病院長   中 島 正 二 君    企画部長    中 村 伸 介 君  総務部長    遠 藤 伸一郎 君    市民部長    加 茂 恒 雄 君  福祉部長兼   福祉事務所長  塩 川   明 君    経済部長    松 浦   眞 君  建設部長    池 田   晃 君    都市開発部長  高 野 秀 久 君  工事監室技監               市立病院    兼工事監室長  山 田 幹 雄 君    事務部長    遠 藤 勝 己 君  水道部長    佐 野 文 紀 君    技術吏員    四 條 洋 成 君  秘書室参事兼               企画部参事兼  秘書室長    渡 辺 紀久男 君    企画課長    石 川   猛 君  総務部参事兼               総務部参事兼  行政課長    大 塚   輝 君    人事課長    佐 野 洪 二 君  総務部参事兼               保健センター  納税課長    秋 山 武 士 君    所    長  前 嶋 範 由 君                       都市開発部   建設部参事兼               参事兼     住宅営繕課長  高 野   喬 君    都市計画課長  遠 藤 岩 男 君  都市開発部                都市開発部   参事兼市街地               参事兼     整備課長    佐 藤   寛 君    下水道課長   稲 葉   豊 君  財政課長    遠 藤   晃 君    情報処理課長  後 藤 成 夫 君  管財課長    鈴 木 治 彦 君    市民税課長   戸 嶋 光 璋 君  資産税課長   井 出 政 久 君    市民生活課長  竹 川 康 夫 君  防災交通課長  佐 野 俊 一 君    市民課長    村 松 克 彦 君  環境衛生課長  中 塚 知加良 君    北山出張所長  石 川 武 光 君                       上井出     上野出張所長  望 月 初 巳 君    出張所長    井 出 一 男 君  白糸出張所長  佐 藤 俊 治 君    福祉課長    持 田   貢 君  児童課長    山 口 源 藏 君    保険年金課長  大久保 公 雄 君  長生園長    平 野 好 勝 君    農政畜産課長  若 林 英 雄 君  林政土地    改良課長    清   義 治 君    工業労政課長  市 瀬 征 英 君  商業観光課長  石 川   修 君    管理課長    望 月 三千夫 君  道路課長    有 賀 文 彦 君    河川課長    森 井   昇 君  水とみどりの               市立病院    課    長  太 田 和 雄 君    庶務課長    斉 藤 秀 実 君  市立病院    医事課長    石 川 俊 秋 君    出納室長    高 野 博 之 君  業務課長    佐 野 洋 二 君    工務課長    寺 田 佳 正 君  教育長     藤 井 國 利 君    教育次長    田 中   洋 君  庶務課長    山 田 好 一 君    学校教育課長  石 川 好 廣 君  学校教育課                参事兼     参    事  望 月 俊 男 君    生涯学習課長  塩 川 哲 章 君  勤労青少年   ホーム館長   兼児童館長   佐 野 忠 良 君    文化課長    富 士 眞一郎 君  市民文化    会館長     清 水 敏 靖 君    社会体育課長  佐 野 征 宏 君  市民体育館長  兼市民                  学校給食    プール所長   佐 野 紀 久 君    センター所長  土 井 英 利 君                       西富士     中央図書館長  丸 山 博 忠 君    図書館長    大 橋   謙 君                       選挙管理委員  中央公民館長  松 井 健 二 君    会事務局長   大 塚   輝 君  監査委員                 農業委員会   事務局長    野 村 静 夫 君    事務局長    植 松 陛 一 君       ────────────────────────────────                                     午前9時00分開議 ○議長(太田美好議員) 皆さん、おはようございます。早朝から御苦労さまです。 会議に入る前に、10番 伊藤高雄君、23番 遠藤正君から、都合により本日の会議に欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。 直ちに本日の会議を開きます。       ──────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(太田美好議員) これより日程に基づき、日程第1 一般質問に入ります。 発言通告順により、6番 笠井賢一君の質問を許します。6番。                〔6番 笠井賢一君 登壇〕 ◆6番(笠井賢一議員) 皆さん、おはようございます。早朝より本会議のために御出席、まことに御苦労さんでございます。早速、通告順によりまして一般質問を行います。 初めに、一言当局の皆さんに言いわけといいますか、おわび申し上げまいりますけれども、質問の原稿をとにかく早くということで提出することに一生懸命になっておりましたので、原稿についての推敲に欠けておりまして、まことに見にくい状態で申しわけございませんが、そういう関係で若干本日質問の言葉が変わる点もあるかもしれませんけれども、質問の意図するところは変わっておりませんので、どうぞ準備された御答弁でお願いをしたいと思っております。 本日私の質問項目は1件であります。市域の土地の保全管理のための測量公共基準点づくりについてであります。その質問要旨もただいま申し上げたことということで足りているわけでございますけれども、あらかじめ通告した内容といたしましては、土地情報充実のための公共基準点設置を早期に市の事業として取り入れて実施することについてというものであります。 一応申し上げる項目を申し上げますと、第三次富士宮市総合計画との関係、次に私なりの現状分析と所感、それは余りにも遅い地籍調査の進み方と、それから総合計画第一次実施計画での大事なことの位置づけが場所が違うではないか、それから国土地理院や法務局における現状、そして市民生活上の土地に関する問題点は何かということ。こういうようなことを踏まえて土地情報の充実のために今市が行うべき方策は何だということで、土地情報の収集に積極的に取り組んでほしいと。そのためには2番目に公共基準点づくりが必要で、その内容は何だということについて質問をさせていただくわけでございます。 では本論に入る前に、私の申し上げようとする測量公共基準点というのは一体何かということであります。それは、市内で多くの測量ということがありますけれども、その測量するときの基準となる点で、そこにその基準点に標識を設けたものでありまして、これを市の責任でつくる、そして保全管理も市が行うということであります。現在、測量の基準となるものは国土地理院が設けております三角点でありますが、これはほとんどの場合遠くにあって、いろいろな面で不都合が多い。しかし、この点を基準にして測量を行うということが測量法の定めているところであります。 そこで市内の土地の保全管理のためには、市自身で国土地理院の三角点と同様に使える測量基準点というものをつくって、市の事業はもちろん、市民のための利用に供して土地境界の紛争などがないようにし、また正確な測量が経費も少なくて済むようにしたいということであります。市の発展ということは、市長をはじめといたしましてすべての市民が希望していることでありますが、表面上に経済活動その他発展しているように見えても、その内面をよく見れば土地境界の紛争があちこちに潜在しているとか、個人の土地の利用についても種々不都合があるような状態であっては、真の市の発展とは言えないと思うのであります。 また一面では、公共基準点とか三角点とかという言葉で申し上げますと、その対象が測量の技術的な分野のことで、一般にはなじみにくいなどということで、このようなことを議会で提案すること、このことはこれまでにはなかったと私は思っております。ですから、私はこの際発言する資格を与えていただいておりますので、自分に提案する義務さえあると思っているのであります。 さて、もう一度改めて申し上げますけれども、第三次富士宮市総合計画土地利用計画の項におきまして、土地情報の充実ということを掲げてありますけれども、その具体的な方策として短期間の実施で効果のある公共基準点の設置を市の事業として早期に取り入れるべきであると考えますが、当局はこのことに対してどういうお考えでありましょうか。いや、私とすればもうそういうことを考えている余地はない、直ちに実施すべきだということでありますけれども、その辺の当局のお考えをお尋ねする次第であります。その理由とするところについて以下申し上げます。 第1は、ただいま申し上げました第三次富士宮市総合計画との関係についてであります。総合計画基本計画における土地利用計画の項の中の現況と課題のところに次のように述べています。「土地情報の充実」という見出しで「土地利用について考える基礎となる情報は、さまざまな行政目的、学術研究目的などに応じて、公共団体、民間団体、研究者、市民などに分散して存在している。土地利用計画を策定し実現していくためには、土地に刻まれた自然、歴史、文化に関する調査を継続的に進めるとともに、これらの土地情報を総合的に整理し、更新し、必要な分析、評価を行い、市民が活用しやすい情報管理と公開の方法を考えていく必要がある。また、土地のもとになっている土地台帳や公図は、現況との相違による紛争などの原因となることもある。今後とも社会情勢の進展とともに、土地に対する意識が一層複雑になるものと予測される。このため、民有地はもちろん、こういう公共施設用地についても、その地籍の確定を図る必要がある」と述べております。 そして、その対策としての施策の方向の中では「土地情報の整備と活用」という見出しで「土地利用の計画と管理が科学的な根拠を備え、市民に共有されるものとするために、土地利用に関する調査を進めるとともに、個別に存在する資料を総合的に整理、更新し、必要な分析、評価を行う体制の整備に努める。また、市民がこれらの資料を手軽に活用できるように情報の公開、広報サービスを向上する。地籍調査については北部地域から順次実施中であるが、土地所有者の調査の必要性に対する理解と協力を得て徐々に南下して早期完了をめざす」と述べております。これは富士宮市のまちづくりを担当している都市開発部都市計画課が英知を絞って策定されたものでありまして、既に十分御承知のこととは思いますが、土地利用計画のためにはもろもろの情報を整備して、そしてそれを活用していくことが何よりも大事な基本事項であることを記述しているのであります。 次に、第2といたしまして、私なりの現状分析と所感を述べることといたします。 その1は、当市の総合計画における土地利用計画は、土地利用診断というものをもととして立てられています。土地利用診断は、法令や各種の行政目的によってつくられたそれぞれのデータを資料として、土地の利用の可能性について診断しているということであります。実はこの中で市域の土地の物理的資料の一つである地籍については、正確な資料はごく一部しか整備されていないということがあります。地籍の資料は同じ資料の中でも大変重要な基礎的な資料であります。その資料というのは地籍調査の成果でありまして、現在これが全市行われておりませんから、市域の面積は314.81平方キロという数字で行われておりますけれども、その詳しい成果は実は必要なものであるわけでございます。したがって、地籍調査の仕事は極めて遅々として、例えば牛の歩みよりも遅いというふうな感じのする現状であるのであります。それでも当局といたしましては懸命な、一生懸命に取り組みをしているということではあるのであります。 基本計画では、地籍調整は北部地域から順次実施し、徐々に南下して早期完了をめざすとしていますけれども、平成7年度の市政概要による実績は、昭和38年度から平成6年度まで、中途44年度から48年度までの5カ年は休止していますけれども、通算で26年間にわたって実施しており、その面積は約63平方キロメートル、市域全体に対する割合は約20%。残る面積約80%の251平方キロ余もありますけれども、これがこれまでのペースで進むとしますと約104年もかかるということになるわけであります。もっとも隣の市ではまだ国土調査は始めたばかりだと、この富士宮市の程度でも早くから実施している方だというようなことが本音でありましたら、まことに心もとないと言わざるを得ないわけであります。 次に、総合計画の第一次実施計画ではどうなっておるかと見ますと、地籍調査ということは一番終わりの項目の「計画の実現に向けて」という見出しの中に掲げられているのであります。私の感じでは、土地情報の充実ということは、ただいまも申し上げたとおり総合計画基本計画の第1章に記述されている事項でありますから、たとえ事業量は少なくとも、事業費も少額でありましても、実施計画基本目標別の第1番の「都市の機能と自然が調和したまちづくり」という項目の最初に位置づけられる事項であると思うのでありますけれども、当局ではうっかりしてしまったのではないかと大変残念に思っているところであります。悪く言いますと市の姿勢の甘さのあらわれかというふうにも思うのであります。 その3といたしましては、国の専門機関であります国土地理院などについてのことを見てみますと、国土の測量は国土地理院が行っておりまして、三角点の設置など極めて重要なデータをつくっていますけれども、直接私たち市民が必要とする情報は、例えば5万分の1の地図だとか、そのようなものでごく少ない感じであります。もっとも最近は2万5,000分の1という地図も国土地理院で市販をするまでになっておりますけれども。それからまた、市民生活に直結している情報としての土地の公図、土地の表示ということにつきましては法務局の分野でありますが、不動産登記法上のデータは甚だ断片的で数も少なく、法務局自身不動産登記法第17条の地図を作成していくということの法の趣旨に沿うのにはとても難しい状態で、もっぱら他の法律による成果に依存しているやの感じを抱く状況であります。 次に、その4といたしましては、市民生活の上で現実の問題点は一体どのようなことであるかということについてであります。土地にかかわる行政機関によるデータづくりが今申し上げましたようなことであるわけでありますので、日常土地にかかわることに当たっては、行政側も市民もまことに大変な複雑な思いをしているのが実態であると思うのであります。 その大変な思いをしているということとは一体何だと申しますと、相隣する土地の境界の問題、道路や水路など公共用地の境界の問題、土地測量に対する関係者の承諾をいただく問題、測量関係等の費用の問題、実に複雑な問題であります。一体このような問題がなぜ発生するのだろうか、なぜ多くあるのかと考えてみるのですが、その理由を考えてみますと、まず、過去においては土地に関する認識というものが一般的に現在のように厳しくなかったのではないかな、次に、土地に対する価値観が低かったのではないかな、次に、境界保全ということに対する対応が甘かったのではないかな、そして土地に関する行政手続が整備されていなかったということも言えると思います。そしてまた、測量機器の開発もおくれておりまして、測量者の技術力にも差があったなどということが原因でそういう問題が積み重なってきて現在のようになっていると思われるのであります。 それでは今はどうかといいますと、既に皆様御承知のとおり、ただいま私が申し上げたこととの全くの逆でありまして、土地に関する認識が一般的に現在のように非常に厳しい、それから土地に対する価値観も非常に高くなっている。境界の保全ということについても、徐々に皆さんが非常にしっかりしてきている。土地に関する行政手続も非常に整備されてきております。中でも測量機器の開発進歩ということは、本当に目覚ましいものがあります。以上が、この市民を取り巻く土地に関する問題点として私が考えるところでございます。 次に、第3として、土地情報ということについて市は一体どのような策を講じていくべきかということについてであります。そしてその策、それはいかにしたら正確に経費が安く短い時間に行うことができるかという問題でありまして、このことを考えなくてはならないと思うのであります。 まず、何よりも市域の土地の情報を正確につかむのは市自体であるとの認識に立って取り組むということが最も大事なことであると思うのであります。土地の情報はだれかがつくってくれる、どこかでつくってくれると待っているのではなくて、市域に関する問題ですから市の仕事です。市が自分でそのことに対応しなければならないということでございます。土地の情報は市政運営の基本となる資料であります。市民生活の基本となる事柄であります。今では測量機器や技術も非常に進歩しておりまして、小さな面積でもその測量でも人工衛星を活用するというところまで進歩していることをよく知っていただいて積極的に取り組むべきであります。 そしてその具体策として私は、地籍調査はもちろん大事な仕事ではありますけれども、市独自の測量公共基準点というものを設置すること、このことにまさる速くて効果のある方法はないと思うのであります。現在当市には国土地理院による三角点が、1等三角点が毛無山というところに1カ所、2等三角点は天照教ほかの5カ所、3等三角点は24カ所、4等三角点は65カ所の合計95カ所が設置されておりますけれども、るる申し上げました問題点を解決するためには、これらの三角点の補助的な役割を果たすべき市の設置する公共基準点が必要であるということでございます。 次に、ではこの公共基準点設置はどのようにして行うかということでありますけれども、それには三つの事項があります。 その第1は、公共基準点設置に関する市の規定、そういったものをまずつくることが第1であります。 その次は、市の直営事業として基準点設置事業を計画的に行っていくことであります。 その第3番目は、民間の開発行為やその他の公共事業などで使用した基準点というものを市の公共基準点として採用していくということであります。これは1番の基準点設置に対する市の規定の中でそういうふうにしていくということを規定するわけであります。 これらに加えて公共基準点を設置するから地籍調査は要らないと、そういうものではなくて、地籍調査というものは引き続き行う必要のあることを忘れてはいけないのであります。そしてまた、市が設けた公共基準点地籍調査に極めて重要な役割を果たしていくということも大事なことであるわけであります。民間が行う開発行為やもろもろの開発事業によって設ける基準点。そのものを実は設けるまでがなかなか業者としては大変でございます。しかし、その基準点がその工事だけで、あとは消滅してしまって活用されないというふうなことがありまして、まことにもったいないことでありまして、また、その基準点がなくなったために後日大変苦労することもあるのであります。ですから、これを生かしていくことを考えるべきてあると思うのであります。 次に、第3番目といたしましては、静岡県内において既に公共基準点づくりを完了している都市があります。ですから実例があるということであります。また、この公共基準点設置によって利益を得るのはだれだと申しますと、それは市民の皆様であるわけであります。そしてまた、市自体の行政そのものであるわけであります。 ちょっと例を申し上げますと、例えば今土地の分筆登記ということがありますけれども、それには公共施設との境界確定ということも絡まりまして、毎年千数百件ありますけれども、例えば1件10万円経費が安くなりますれば、それが1,000件あれば1億円、5,000件になれば5億円市民の負担は軽くなるわけであります。そういう実態でありますので、この公共基準点設置ということについての市の取り組みということを強く期待しておりますのは、測量に携わる皆様であるというわけであります。これも例を申し上げますと、例えば私が所属しております静岡県土地家屋調査士会でも大変な関心事でありますし、富士宮市の支部の石原支部長は、20周年の記念式典で、これからの課題は公共基準点を設けていくことが大きなことであると期待をかけているわけであります。 以上申し上げまして、このことに対する当局のお考えをお伺いするのでありますけれども、それぞれの項目でもっと実例を挙げて述べた方がよい、このように思いました。しかし質問ばかり長くて答弁はただの一言だということにもなりかねないと考えますから、あえて要点のみを申し上げたわけであります。 当局では特に中島助役さん、建設部長、都市開発部長におかれては、今私が申し上げたようなこと先刻御承知だと、こういうふうには思っておりますけれども、それだけに御答弁の中で詳しい説明を加えたものをお伺いしたいという次第であります。事柄としては本当に耳新しいことに感ずるとか、何か市民生活と直接的には関係ないように思われるかもしれませんけれども、意外にそうではない。日常、土地にかかわることの費用の問題等、ただいま申し上げたとおり市民生活に関係が極めて深いことであります。ですから市独自の公共基準点づくりを早く市の総合計画の中のいわゆる土地情報充実のため、そのための主要事業として取り入れて取り組んでいってほしいのでありますけれども、そのことを早速検討されて実施の方向へ進んでいくかどうか期待をいたしまして御答弁をお願いをいたします。 ○議長(太田美好議員) 建設部長。 ◎建設部長(池田晃君) お答えをいたします。地籍調査を担当している私の方から答弁をさせていただきます。 その前に、富士宮市の総面積は、御指摘のように314.81平方キロと、県下では静岡市に次ぐ広大な面積でございます。これから国有林の約70平方キロを除いても244.81平方キロとなります。このうち地籍調査対象面積としては243.32平方キロとなりまして、非常に広大な面積でございます。ここで244.81平方キロと243.32平方キロの差につきましては、私の方も基本計画を策定する上で、田貫の湖面とか、あるいは既に区画整理の済んでいるところ等を除いた面積の違いでございます。 富士宮市の地籍調査事業は38年度に麓地区を始めまして、現在まで63.04平方キロを完了いたしました。これまでに要した費用は、人件費を含めますと7億6,600万となります。これは全体計画面積の25.9%となりますが、このうち昭和38年から昭和61年まで実施した52.92平方キロは、図解法で作成をいたしました。その後、昭和62年から平成8年までの10.12平方キロにつきましては、数値法で行っております。 本年度は村山、粟倉の1.29平方キロを実施しておりまして、平成11年度までに村山、粟倉地区を完了させる予定でございます。その次といたしましては、山宮、北山地区を順次調査をしていく予定でございます。この計画は毎年約1.5平方キロ前後の面積を予定をしてございます。しかし、調査面積が広大なことから、完了までの年月は御指摘のとおり相当の年月がかかると推測をいたしております。 しかしながら、近年の社会情勢は、公共事業をはじめとし、民間事業に至るまで地籍調査成果を利用する必要性が極めて高く、一日も早い調査の完了が必要であると認識をしております。このため、現在地籍調査事業の期間短縮につきまして、その方策等を種々検討している状況でございます。この方策といたしましては、市街地集落、市街化周辺及び旧村部、農地山林地区等それぞれ地域に合った調査方法を取り入れるか、あるいは調査の全面委託をするなどの方法が考えられるわけでございますが、いずれも期間短縮をするためには相当な事業費が必要となるわけでございます。 この方策の一つといたしまして、ただいま御質問のありました公共基準点の設置による調査方法についても検討してまいりたいと思っております。また、県内における地籍調査の実績といたしましては、県内74市町村中、実施中が23市町村、中止が21市町村、完了が10町村、未着手が20市町村で、県内全体の実施済みが19%でございます。だからといって富士宮市が二十何%いっているからいいだということではございませんが、県下の状況としては今御説明申し上げたような状況でございます。 当市の国家基準点の設置状況につきましては、先ほども御質問の中にありました現在市内における国家基準三角点につきましては、先ほど御説明のとおり、1等三角点が毛無山にございます。そのほか2等三角点が天照教、天母山、平山、上井出、富士山の5カ所、3等三角点が24カ所、4等三角点が65カ所の合計95カ所でございます。 これらをもとに試算をいたしますと、公共基準点を設置した場合には1級基準点の転換標準距離としては1,000メートル、2級基準点の転換標準距離は500メートル、3等基準点の転換標準距離が 200メートル、4等基準点の転換標準距離が50メートルとなっておりまして、当市の場合は国有林を除いた244.81平方キロで積算をいたしますと、1級基準点の設置につきましては281点、1億8,855万1,000円、2級基準点は832点で5億5,827万2,000円、3級基準点になりますと5,882点で39億4,682万2,000円、さらに情報開発費が、概算でございますが約7億5,000万円ぐらいではないかな、このように考えております。公共基準点設置事業の今後の考え方でございますが、その必要性については十分認識しているところでございます。 以上の点からも公共基準点の設置につきましては、その事業費が市の一般財源に占める割合が大きく、短期間の設置は難しい状況にありますので、今後の検討とさせていただきたい、このように思います。しかし、公共基準点の整備の必要性は、当市に限らず全国にも認識されておることと思います。市内の公共基準点が整備されることによりまして、地籍調査の促進はもちろんのこと、公共団体、民間団体、市民の皆様方のさまざまな基礎情報に利用でき、また土地境界点の解消等にもなくてはならないものでございます。今後、国・県の補助に期待をいたしまして検討してまいりたい、このように考えております。 以上でございます。 ◆6番(笠井賢一議員) 池田建設部長の長い経験のもとに詳しい御説明をしていただきまして、大変ありがとうございました。県内の先例都市の例から申し上げてみましても、1級、2級の公共基準点をつくっているようであります。ですから1級、2級では、ただいまの計算ですと約6億数千万、情報開発費は7億ということでございますけれども、3級、4級はまた後日になろうと思いますけれども、そういうことを試算して市の施策の中に入れていけるかどうかということを検討することもまず第1に必要なことであろうと、こういうふうに思うわけで、私の本日提案したことについても、大変私はよかったと、このように思っております。 そこで、若干意見と要望というふうなことを申し上げておきたいと思います。最初には道路等の公共施設の境界確定方法ということについてであります。これは何かといいますと、自分の土地が道路に接している場合、その道路と自分の土地との境界を確定してくださいと、こういう申請を市に出すわけでありますけれども、その問題はあくまでも申請人と市の所有地との間の境界を確定するということであるわけでございます。しかし、この申請書は、結果的には道路の自分の土地の反対側の人の承諾というものが必要になっているというわけであります。 現在そういうことでございますけれども、そのことが徐々に手続が整備されてきておりまして、昨年の4月からは申請人も印鑑証明書をつけなさいというふうなことで、そして現場では立ち会いをして関係者がその図面に署名・捺印するというふうなことになっておるわけでございますけれども、そこで実は疑問というふうなことになるわけですけれども、通常、隣の人との境界は双方で決めるということでありますけれども、道路についてはその向こうの人の承諾を得てこいと、こういう理屈になるわけでございますね。 公共施設だからと話だとはいいながらも、そこに昔からの道路であって地番もないと、そういう土地の間に介在する間はお互いに相対した向こう側とこちら側の人の話し合いということが必要になりましょうけれども、世の中が進歩するに従って道路の拡幅が必要になってきているというふうなことで、昔あった道路の外側に市が買収してあるわけでございます。両側に買収してあるわけです。ですから、例えば私が申請する土地との境界は、直接は富士宮市の所有地なのです。ですからその土地との境界を確定をしてくださいと、こういう申請を出すのですけれども、それが対側といいますが、向こう側の反対側の人の承諾が必要だと、こういうことなにっておるわけでございます。 これは、私たち県内全般的にそうでありますけれども、あくまでも公共施設であるけれども、煎じ詰めれば申請人と市との間の境界を決めることですよと。平たく言えば私とあなたの土地の境界を決めることですと。そのことですから、格別向こう側の承諾をとってきなさいというふうなことまでしなくてもいいじゃないかと、こういうことがあるわけでございます。 最近は窓口におきましても、その状況により対側省略というふうなことでやってくれる場合もあるようになってまいっておりますけれども、どうかこれからも市が道路の拡幅工事等における土地買収については、境界ぐいをその工事の中にきちんと入れておいて、そしてその境界ぐいを保全する大切さをその地主によくPRして説明して、そして後日問題が起きないようなふうにひとつ御配慮をしていっていただきたいと、こういうふうに実は思うのであります。その境界確定ということについての手続は非常に費用も高いわけでございますので、ぜひお願いをしたいと思います。これが1点であります。 次に、公共事業の中の土地区画整理事業あるいは土地改良事業、また道路や河川などの事業、そういった事業で使いました測量データの保存ということと、その測量の基準としてつくった基準点を保全をしておくこと。そしてそのデータは後日公開をしていただきたい。欲しい人がお願いに行けばすぐそれを出していただける、こういうふうなことをしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。 即今日からできるかどうかということは問題でありますけれども、最近、建設省富士砂防工事事務所においても、砂防工事が大沢川以外に各所で行われるようになりまして、大変富士宮市としてはありがたいわけでありますけれども、建設省の測量データは何ミリと。あの砂防工事で何ミリというところまでの単位で測量を行っているわけでございますので、非常に正確というか厳しいといいましょうか、そういうことでございます。鉄道業者の方がそういうことは早くから行っておりますけれども、建設省においてはそういうわけであります。そのデータが、その砂防工事が終わってしまえばもうあとは使えないと、こういうことになっては非常に残念だなと、こういうふうに思うわけでありますので、そういうデータも市の方に譲り受けていただいて、そしてそれを市民が使えるというふうにしていっていただきたいな、こういうふうに思うわけであります。 従来は建設省サイドの測量あるいは農林水産省サイドの測量というふうなことで測量の方法も違っておったというような点もあろうかと思いますけれども、それらについても測量方法が違うから、ただいま建設部長が言われた数値測量というので、その数値は違うかもしれませんけれども、それがあれば、そこの土地に係る皆さんは非常にありがたいわけでございますので、ぜひそういうことを保全をし、データの公開がしていけるようにお願いをしたいと思うわけであります。 特に富士宮市内の土地の公図にはいわゆる二線引き畦畔というものがありますので、非常に土地の確定ということが大変でございます。私たち市民は、土地というものはみんなそうだと、そういうふうに思っておりますけれども、実はそういう二線引き畦畔のあるというところは今割合少なくなってきておるわけです。ですから隣の人との境はもう1本の線だと、これが多いわけであります。区画整理を行えばもうそうです。全市区画整理を終わっているというふうなところには、もう二線引き畦畔なんて一切ありません。そういうふうな状況でございますので、法務省も建設省などもそういうふうなことを前提としていろいろな施策を考えておりますので、富士宮市などとの間では相当事業費算定なんかにも差が出てくるではないかなと、こういうふうに思うわけであります。それが第2点目でございます。 第3点目は、実は先ごろも富士山頂の土地問題ということがクローズアップしてまいりまして、本議会においても言われましたけれども、その富士山頂の県境問題といいますか、浅間大社の所有地といいましょうか、その問題もこの公共基準点づくりということの中で、その一環でひとつぜひ進めていったらいいだろうと、いってほしいと、こういうふうに思うわけであります。 その県境問題ということはいわゆる市域の問題で、古く言えば領地の問題であります。ですから市の領地を決めるということでございますので、市がこれに取り組まなければだれが取り組んでくれるだろうか、県が取り組んでくれるだろうかというふうな感じを持つのですけれども、国で取り組むだろうかというふうに思いますけれども、地方自治法を見ますと、市域についてはやはり市がアクションを起こしていかないと、どうも境界変更とか境界確定ということが難しいように解釈できるわけでありますので、これは遠くの富士山頂の問題だからさわらない方がいいというふうなことではなくて、富士宮市が浅間大社の門前町として発展してきたという歴史を考えれば放ってはおけない問題だというふうなことであると思うのであります。 さらにこのことを申し上げますと、浅間大社の所有地は8合目以上というふうな表現であったかと思いますけれども、その土地が幾ら浅間大社の土地であったといいましても、今では行政手続の登記をしなければその土地の特定ということができないわけでありまして、また登記ということをしなければ第三者への対抗要件もないと、こういうことになるわけであります。いささか釈迦に説法な感がいたすわけでございますけれども、一連の事項として申し上げさせていただきますけれども。 そして、その登記をするということには土地所在図、その土地がどこにあるかという所在図、そういったものと、その土地が何平方メートルあるかという地積測量図というものが必要なのです。それがないと登記ができないと、こういうことでありますね。ですから、どうしても8合目以上の浅間大社の土地を一遍測量しないと登記ができない、こういうことになるわけですね。その登記のための測量をするには8合目のところで、8合目以上は浅間大社の所有地、それ以下は恐らく大蔵省かどこか、まあ国有地ということになろうと思います。通称そこでいう官民境界の確定と、こういう仕事が必要になってくるわけであります。官民境界の確定をして、それ以上は浅間大社の土地であると、こういうことに決める必要があるわけです。 そういう手順でその仕事が結末になるわけでございますけれども、そういった一連のことをするために現況の図面、そのうちの平面図というものがないとどのように考えたらいいだろう、どことどういう折衝をしたらいいだろうというふうなことも具体的には何ら出てこない、こういうふうに思うわけであります。ですから、まずこの富士山頂の現況もよく知らなくてはいけないということで、そこでこの公共基準点というふうなものの規定をまずつくって、そしてそれに見合うような仕事を行った場合はそれが市の公共基準点だというふうに言って将来にわたって使っていけると、こういうふうにしていってほしいと、こういうふうに思うのであります。これが3点目でございまして、この3点をこの際ひとつ意見と要望ということで、尊い時間をいただいた上で申し上げさせていただきました。 最後にひとつ、私がこのような極めて専門的な質問といいましょうか、提案をさせていただいたわけでございますけれども、どうかひとつ当局の皆さんに最後に誤解のないようにというお願いしたいですが、たまたま私が土地家屋調査士という職業にありますので、ぜひその職業エゴでこのことを提案し質問しているではないと。本当に地についた市の発展を願う、そういう気持ちから、そのためにはこういう今申し上げた市域の土地の情報の充実ということを進めていかないと、富士宮市総合計画の実現に至らないという考えから申し上げたわけでございますので、ぜひひとつ誤解のないように念のためにお願いをしておくわけでございます。 ただいま申し上げたことは私の意見と要望ということにいたしまして、御答弁は結構でございますので、これで私の一般質問を終了させていただきます。どうも長い時間ありがとうございました。 ○議長(太田美好議員) 通告順により、20番 河原崎澄雄君の質問を許します。20番。                〔20番 河原崎澄雄君 登壇〕 ◆20番(河原崎澄雄議員) 通告順に従いまして一般質問を行います。 スポーツの振興と施設の充実についてお伺いをいたします。 日本の歴史にスポーツがあらわれるのは遠くは奈良時代であり、この時代に宮廷を中心とする貴族の間で相撲、鷹狩、比べ馬、馬弓などのスポーツが行われました。日本のスポーツ振興法は、第2条で、この法律において「スポーツとは、運動競技及び身体運動であって、心身の健全な発達を図るためにされるものをいう」と定義しております。アマチュアスポーツのあり方では、スポーツは人々が楽しみとよりよく生きるため、他から求められるものではなく、自らの能力に応じて行う自由な身体活動であると規定しています。市民スポーツ祭では体育、スポーツの振興・普及を図り、健康で明るくたくましい市民の育成をめざすとともに、地域の親睦、融和を図り、連帯感あふれる明るい住みよい地域づくりをめざすとしています。 質問の1として、スポーツの振興・普及についてお伺いをいたします。 幼児からお年寄りまで地域の住民が参加できるスポーツクラブをつくり、住民の健康と体力の増進を図るのがねらいであり、年間を通じて陸上、水泳、バドミントンなどの多種目の競技に取り組むほか、資格を持った指導者を配置して専門的な指導をしたり、健康と体力に応じた運動について相談を受けたり、生涯学習の振興をめざし、スポーツ教室や研修会も開くような総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業を文部省で実施していますので、モデル地区指定について検討したらいかがかと思います。そのことにより市民に楽しみと生きがいをもたらすことができますので、御当局の御答弁をお伺いするものであります。 スポーツ大会の運営を補助するボランティアをあらかじめ登録し、必要に応じて派遣するスポーツボランティアバンク制度を検討したらいかがかと思います。神奈川ゆめ国体のボランティアを公募しようとしたところ、どうせ公募するならほかのさまざまなスポーツ行事に派遣できる制度をつくろうと企画し、登録者はボランティアの簡単な研修を受けた後、県内で開かれる各種スポーツ行事の主催者の要請に応じて、会場案内や整備、救護活動などに派遣されることになります。希望者は所定の申し込み用紙に連絡先や希望業務、日時などを記入してバンクへ登録するということであります。当市においても、来年は平成10年の第9回世界女子ソフトボール選手権大会、富士宮駅伝競走大会をはじめ、ボランティアの協力をお願いする大会はかなりあるのではないかと思います。 平成15年、第58回静岡国体のソフトボール、バドミントンの開催地となります。スポーツの振興・普及にはボランティアバンク制度は必要な要件であると思います。この点について当局の御所見をお伺いいたします。 2点目として、富士宮駅伝競走大会のコースについてお伺いをいたします。 今年の2月の第47回大会に150チーム余の参加を得て駅伝競走にふさわしい天候のもとに実施できました。昨年より参加チームは減少し、コースについても大きな曲がりくねりがあり、山林原野、田畑と人家のない道路を走る選手に沿道の応援もないところが何カ所もあり、昨年より観客、応援する市民が少ないのではないかと感じたところであります。 この駅伝は、言うまでもなく、富士宮白糸滝駅伝競走大会として白糸の滝が全国観光百選に当選記念として発案された駅伝であります。富士宮市の歴史とともに歩んできたと言っても過言でないと思うのであります。平成5年の2月議会の一般質問で、コースについては第1回大会の駅前スタート、十字街から神田、宮町を通り十字屋スポーツ店から139号線、現在は県道朝霧富士宮線を北上し、白糸滝折り返し浅間大社ゴールということを提案し、主催、主管団体、陸上競技協会、警察署をはじめ関係者と十分協議して富士宮駅伝競走大会にふさわしいコースを選定するよう市長の所見を伺ったところであります。 市長の答弁は「車のなるべく通らないところを、集落の少ないところを走るといった形になってきていることは、確かに市民の立場から考えてみても寂しいことだというふうに思っております。最初のコース、富士宮駅前から139号を北上して白糸滝往復の駅伝ができれば、一番富士宮駅伝らしくなるという感を強くしております。ただ問題は、日曜日の約3時間、あるいはそれ以上にわたって交通規制をしくということでございますので、警察の方がどういうふうに今後また対応してくるか、あるいはこの駅伝に全く関心を持っていない人たちにこの交通規制にどのような理解をしてもらうか等々の問題があろうかと思っております。しかしながら、先ほど来お話がありましたように、東京、京都、あるいは箱根等々、大変大きい大会では長い距離を規制しているわけですし、警察の白バイ自身が先導をしてくれるというようなことにもなっているわけなので、できないことはないというふうにも思うわけでございます。もう一度関係者の協議をもとに警察とも改めて話してみたいと、こんなふうに考えております」と答弁をしております。 ここで市長にお伺いをいたします。その後警察との協議についてはどのような経過になっておりますか、お尋ねをいたします。地元選出の3人の県会議員、陸上競技協会、体育協会、スポーツ議員連盟、その他関係団体の代表数名と当局と富士宮駅伝競走大会のコースについて協議をし、今後の進め方について検討したらいかがかと思いますので、市長の御所見をあわせて伺うものであります。 3点目として、富士山一周駅伝構想のその後の経過について伺うものであります。 平成5年2月議会の質問で「富士山に関して情報発信基地に最も適している大きなイベントであり、山静両県の関係市町村に対して、富士宮市が中心となり富士山一周駅伝競走の構想を計画したらどうか」と問題を提起したところであります。「山川市長時代に話題となり、実現できなかった富士山一周駅伝の実現に向けて、また市制50周年の記念すべき年の発想として取り組んでいったらいかがか」と市長の所見を伺ったところであります。「当時立案した関係者の皆様から話を聞くことも大切であり、新しい事業を起こすには人材が必要であると思います。準備するための各団体による協議組織をつくり、予算を計上したらいかがですか」と市長のお考えを伺ったところであります。市制50周年は過ぎましたので、次の節目の市制60周年記念事業として大イベントとして富士山一周駅伝大会の実現に向けての構想についてお伺いをいたします。 市長は前回答弁の中で「日本が生んだ世界の競技となった駅伝で、まさに世界に冠たる名山富士山を一周しようとする御提案は、考えただけでも大変胸の踊る壮大な御提案だというふうに考えました。我が富士宮市が主体的に行動を起こすしかない、こんなふうに考えております。協議会をつくって予算を検討したらどうだという具体的な御提案もございました。しかし、協議会をすぐつくるという前に、まず御提案でもございますので、市の現在の行政の中でもって、当時立案した皆さんから意見を聞いてみる、お話を伺ってみる、あるいはほかの大きな駅伝の実態、さらに関係団体の意見打診、専門家の意見等々も伺った上で協議会の、あるいは研究会の、あるいは準備会の設置、あるいは予算化ということをやっても遅くないだろうと思いますので、まずとにかく現在の行政の中でもって勉強させていただきたいというふうに思っております」と答弁をしております。その後4年たっていますので、経緯、経過についてお伺いをいたします。また、市長の富士山一周駅伝に対する決意ある御所見をお伺いをいたしたいと思います。 4点目として、運動公園の構想についてお伺いをいたします。 第三次富士宮市総合計画の基本目標別計画の中でスポーツ・レクリエーションの基本方針で「市民一人1スポーツを実現するため、市民のニーズに応じたスポーツ・レクリエーションの場と機会を提供し、活動の推進を図るとともに、指導者、団体の育成に努めます。また、スポーツ施設の整備を進めながら国際大会などの誘致を積極的に推進し、スポーツの振興を図ります」と総合計画に載っております。主要施策の中で「総合運動公園建設計画の策定」とあります。陸上競技場、県サッカー場、野球場、体育館、多目的広場、コミュニティ広場など総合的な計画の策定をしております。市民の健全なスポーツ・レクリエーションの場として市民の体位の向上、スポーツの振興に努め、健康的で豊かな市民生活の確立を図っていくことが、21世紀へ向けて富士宮市として進むべき姿であると思います。健康都市としての施設面の充実を図るとともに、市民の心身の鍛練の場として社会体育の振興に、また市民の憩いの場、コミュニティの場、さらに市街地住民の災害時の避難地として位置づける総合運動公園について、当局は大きな目標として計画を立案していくことが重要な課題であると思います。 第三次富士宮総合計画は、10年を目途の計画であります。市制60周年を迎えるまでに基本計画実施計画、事業に着手、例えば用地取得のできるような計画を立てるため、市の重点施策として庁内で検討委員会もしくは実行委員会を設けて協議したらいかがかと思いますので、この点について市長の御所見をお伺いいたします。 5点目として、体育施設整備の年次計画についてお伺いをいたします。 総合運動公園構想にも関連がありますが、現状でもスポーツ施設は不足しております。これからの社会構造は週休2日制が定着しつつあるところであります。21世紀には完全週休2日制になるのではないかと思います。余暇の利用をどのように設定するか、文化的、健康的に利用していくのか、大きな課題の一つになっているのではないかと思います。健康都市を構築していく上にも体育施設の整備充実を図っていくことは必要な要件であります。陸上競技場兼サッカー場、新たに利便性のある野球場、利用度の高い体育館等のスポーツ施設の年次計画があるようでしたら説明を求めます。ないようでしたらスポーツ施設の年次計画についてどのようなお考えを持っているのか御所見をお伺いいたします。 6点目として、体育施設用地の借地方式についてお伺いをいたします。 公共施設の用地取得は口で言うのはやすいが、実際には困難であり、種々の問題に直面することが実情であります。近年の経済情勢を見ますと、借地方式を取り入れている企業、自治体もかなりあります。市街化区域内または市街化に近い地域の農地、森林、原野でも、地権者で協力的な考えを持っている人もあります。総合体育館はありますが、何としても屋内を利用するスポーツ団体の数が多いので、体育館利用も各団体で協議し、融通し合って大会日等を決めているのが現状であります。市民の利用を考えるとき、第2体育館建設を借地方式でできないものか、借地によって土地代の投資がなく、投資的経費が少なくて済むのではないかと思います。体育館用地について借地方式が可能かどうか伺うものであります。可能となれば場所等を十分検討し、体育館の建設を前向きに考えていくべきと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。 第2体育館建設の場合、設計の段階で雨天でもスポーツ、クライミングが楽しめる屋内登はん施設の計画をすべきと思います。人工の壁に高さ9メートル、横7メートル、高さ4.5メートルから頂上まで手前に20度傾斜、垂直以上の角度となっています。登る際には、取っ手となる強化プラスチック製のホールドは、コース設定の専門家によって配置され、室内の全国大会も開催可能と言われております。第2体育館建設の設計には屋内登はん施設を組み入れていくことを検討していくべきと思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。 以上で質問を終わりますので、御答弁をお願いをいたします。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 河原崎議員にお答えを申し上げます。 以前から大変スポーツに御熱心で、また、今現在市の体協の会長さんという立場もございますでしょうか、スポーツ振興に絞っての多くの御質問をいただきました。私の方からまず最初に御答弁をさせていただきまして、その他の件については教育委員会の方から答弁をさせていただきます。 まず、複合型の地域スポーツクラブ、それからスポーツボランティアの問題につきましては教育委員会の方から御答弁をさせていただきますけれども、その次の富士宮駅伝、この問題について特に市長どう考えるかという御質問でございますので、私の方からまず最初に御答弁をいたします。 今年の47回の大会、47回という歴史のある大会でございます。実はこの第1回のとき、私、大変印象に残っておりまして、某新聞社のたしか募集で白糸の滝が全国観光百選の中に入ったというのを記念して、あのときはたしか音止の滝の見えるところまで折り返し点が入ったというように記憶をいたしておりまして、机を並べて歓迎をしたのを子供心に、まだ若かったのですけれども、覚えております。以来47回という大変な苦労を重ねて歴史を積み重ねてきたわけでございますけれども、前回の御質問で、確かに今のコースでは人が余り集まらないので、警察とも話をしてみたいというような御答弁を申し上げたわけでございます。 ただ、経過を調べてみますと、現在のコースになってしまったということについては、現在は46回からのようでございますけれども、上井出地域でもって松富士石油からは南進の車を全部とめて北進だけ通行させてきたというようなことでしたけれども、警察からもいろいろなクレームがついたというようなこともあり、特にその前に17回の大会で幼児の交通事故が起こったというようなことがあって以前の大会が大幅に変更にさせられたというようなことですし、警察の方では随分交差点が多いので、今の富士宮署の警備体制だけではなかなか仕切り切れないというような話も出て現在のところになったということでございます。 しかし、今年に先立ちまして、今の堀井署長とも率直に話をいたしました。「警察のことについても市も随分いろんな面でもって協力させていただいている。こういう大きな歴史のあるイベントについては、ひとつ警察の方でも御苦労でございますけれども、できるところについては譲っていただいて御協力願いたい」という話をしてまいりました。交通課長の段階だけでもって話をしますと、まず交通安全ありきと、交通規制ありきという問題が先に立ちますので、「市民の行事に対する警察の協力という問題を含めてお考えをいただきたい」という話をしてまいりましたし、「警察の市民に対するサービス、あるいは警察の協力という意味で頼む」という話もしておりまして、「よく検討してみましょう」ということになっておりますけれども、そのうちにもう既に今年のコースがいち早く決定をされたというようなことでもございましたので、これは陸協の会長さんにもちょっと話したのですけれども、また今の堀井署長との話はそんなことにもなっておりますので、せっかくバイパスの139の無料化というような問題で以前とコースも大分変わってくる可能性もありますので、引き続き早い段階でもって話はしてみたいと。同時に、今御指摘がございましたように、先日の県会議員の皆さん方等との御協力もいただきたいというふうに考えております。 続いての富士山の一周駅伝でございますけれども、これも確かに今御指摘のあったような答弁をいたしたことをよく覚えております。今マラソンも駅伝もテレビ中継等がされて大変華やかになっておりますので、私もあのとき、当時県警まで行きまして、実はいろいろ交通部長とも会って話をしてまいりましたけれども、これに対してはかなりガードがかたい。いつかも言ったような記憶がありますけれども、まず静岡県警と山梨県警の両方の合意がどうしても必要だと。 もう一つは、今度は具体的な段階になっても、それでは富士宮が起点になるのか、吉田が起点になるのか、御殿場がなるのか、いろいろなこういう都市間の問題等々も、1泊2日150キロというようなコースになりますので、それのコースの問題等々もいろいろ問題があるというようなことで、内部的にはいろいろ検討いたしました。 ただそれ以前に、具体的な構想に入る以前に日本の陸協、陸連等々とも問い合わせてわかったことなのですけれども、一つは警視庁、警察庁、日本陸連との申し合わせ事項として、昭和63年ごろから公道を利用した新規の陸上競技大会は難しいというふうなことを既に話し合いが持たれたという経緯が最近になって実はわかったわけでございます。既存の大会でも交通事情によっては中止になっているところもあるというようなこともわかってまいりました。 同時に、2県にまたがる駅伝大会が、それぞれの県の陸上競技会からそれぞれの県警本部に申し入れ、両県警本部から警視庁に申請され、警視庁から日本陸連に協議をされ許可をされる。大変な手続がもう既にルール化をされている。静岡、山梨両県の県警本部の方から警視庁に出されて、警視庁と日本陸連が話をして判断をする。大変難しい手続がまだ残っているというようなことも判明をしてまいりました。 同時に、公道を利用した陸上競技大会に関連する通達というのが、これはまだ手に入りませんけれども、出ているようでございますけれども、そういうところでも新しい駅伝コースの設定等についてはかなり国の段階でもっていろいろ規制があるということもわかってまいりました。これらの壁をはねのけながら今から5年先の60周年に向かって準備をしていくということが、「はい、わかりました。早速そういう格好でもって実現します」という御返事ができるような段階にはなかなかないわけでございますけれども、しかし、いつかも御返事申し上げましたように、日本のシンボルである富士山をぐるっと回るという構想自身、大変遠大な胸のすくような、場合によっては日本の駅伝をシンボリックできるような構想でございますので、引き続き実現のための内部的な検討、努力はしていってみたいと思うわけでございます。 その次に運動公園の問題でございますけれども、運動公園自身は確かに総合計画にもうたってございますし、市としても欲しいと思います。ただ、公園法に位置づけられた運動公園というのは15ヘクタールから75ヘクタールぐらいという広範な面積が必要となるというようなことでございますので、計画の中に一応視野に入れながら考えていきたいと思います。 ただそのときに、我が富士宮市の場合、もう既に外神のスポーツ公園を中心にして、スポーツ施設がかなり分散をしてきてしまっているという経緯をどう収拾していくか。あれがこの次のつくり直す時期へいってあそこの土地がどうなんだということまで構想を練りながら用地の確保等の問題は考えていくという遠大な構想が要るのかもわからない。体育館があり、テニスコートがあり、多目的広場あり、プールありと、あそこに既に配置をされてしまっている問題もある。等々考えると、今からはかなり、10年とは言わず、20年規模で遠大な構想でもって富士宮のスポーツ公園をどうするかというような問題は議論をされていかなければならない問題だというふうに思っております。 当面、我が市における運動施設として何が欲しいんだと言われて幾つか気になることがあるのは確かなのです。おかげで山宮の多目的広場はああいう形でもって急遽ソフトボール球場の専用球場というような格好もできましたけれども、その横についてはサッカーの問題はかなり多目的広場でもって一応当面の御要望にこたえられるかどうかは別として、需要にはある程度の目的が達せられてくるだろうと思っております。 ただ気になるのは明星山にある市営球場ですね、せっかく富士宮まで来て大会やったって、富士山の見えないところの野球大会って何だというような議論がある、行くまでの大変アクセスの問題があるというような問題で野球場の問題は大変気になっているところでございます。体育館も今のところがもうお互いに大変体育館を使う団体が増えてまいりましたので、需要が多くて抽選になかなか入るのが大変だというようないろいろな面からの御不満もあることもよく理解しております。借地方式というような御提案も御心配をいただいてあったわけでございますけれども、それらも含めて今後考えていかなければならないスポーツ施設のまず重点項目を置くならば、今の野球場、体育館の問題はなるべく、財政の問題はございますけれども、時期を見ながら早く片をつけなければならないなと思っております。 ただ、陸上競技場ですね。公認の陸上競技場400メートルという問題がありますけれども、率直に言うと、前も言ったような気がいたしますけれども、北高があれだけの400メートルのコースを持ったコースというのは余り高校としてはないわけなので、せっかくあれだけのコースがあるのですから、これはもう少しここを使わせてもらう。場合によっては大きい大会にしたらば、富士の市長にもこの前言ったのですけれども、富士にすばらしい陸上競技場もあるわけでございますので、富士は富士だ、富士宮は富士宮だという言い方もあるかもわかりませんけれども、大きい問題については広域都市圏の中で物を考えるという問題等も考えてみますと、まず野球と体育館と比べると陸上競技場のランクというのはもうちょっと、優先順位からすると、総合的に運動公園を決めてぱっとつくってしまうというなら別ですけれども、ちょっと先なのかなというふうに思っておりまして、いろいろな工夫をこらしていく必要があることだというふうに考えております。 残余の問題につきましては、最初に言いましたように教育委員会等から答弁をさせていただきます。 ○議長(太田美好議員) 教育次長。 ◎教育次長(田中洋君) 駅伝、総合運動公園等の大きな問題以外のものについてお答えします。 まず、総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業ですけれども、これにつきましては平成7年度から文部省で募集している事業であります。当初12市町村対象ということでしたけれども、平成9年度からは15市町村が対象となるということでございます。地域に根差したスポーツクラブの育成ということが大きな目標でありまして、生涯スポーツの振興のためにすぐれた施設を拠点とし、子供から高齢者、障害者までさまざまなスポーツを愛好する人々が参加する地域スポーツクラブの育成、定着化が重大な課題だという趣旨のもとにあるわけでございます。たまたま静岡県内では今その対象とした補助事業は実施しておりませんけれども、今後関係者と相談をして前向きに検討してまいりたいと思います。補助率は2分の1でございます。 次に、スポーツボランティアバンク制度ということでございますけれども、この件につきましては、富士宮市におけるスポーツ指導者登録銀行ということと同じだと考えております。富士宮のスポーツ指導者登録銀行は昭和57年の4月に設置されまして、隔年に養成講座を開講し養成に努めてきておりまして、毎年修了者対象に研修講座を開講し、資質の向上に努めているところであります。県下におきましてもかなりの評価を得ております。 登録者の任務といたしましては、市の各種事業に参加、協力し、市民の求めに応じて指導することとしており、平成8年度までの養成講座修了者は472人で、現在登録者数は220人おります。富士宮駅伝競走大会はじめ、市民レク・スポ祭等でいつも協力をいただいております。今後もこの制度のより強化拡大を図っていきまして、御質問の御趣旨のスポーツボランティアバンク制度ということの同じ効果が上がっておりますけれども、そういうことでより発展的に拡大をしていきたいと、このように考えております。 次に、体育施設の年次計画ということでございます。先ほどの市長の答弁の中にもほとんど趣旨は言い尽くされていると思いますけれども、具体的に数字的な裏づけはございませんけれども、必要性というのは庁内的に皆さん理解をしていただいおります。そういう中で実施計画に何とか採択していただいて施設の整備に努力していきたい、このように考えております。 次に、体育施設の借地方法であります。この件につきましては、いろいろな用地整備の第1難関といいますか、一番大きな問題の一つとして用地の取得があります。非常に苦労しておりますので、その借り上げた用地の上に構造物を建設する等々いろいろ問題はありますけれども、可能でしたらぜひそういうこともやっていきたいと。財政的な効果は相当大きなものと考えます。 それから、屋内登はん施設ですけれども、これにつきましては、また第2体育館等の施設整備の段階でぜひ設計の段階から取り入れていきたいと、このように考えます。 以上です。 ◆20番(河原崎澄雄議員) 答弁ありがとうございました。リーダーバンクが今言うボランティアバンクと同じというようなことでございますので、現在220人が登録しているというリーダーバンクをより拡大していくということでございますけれども、リーダーバンクとボランティアバンク、ここら辺のニュアンスが市民から受けるニュアンスとして、名称についてこれはひとつ検討したらどうかと。リーダーバンクは現在57年からやっているということでございますけれども、ボランティアバンクというのは確かにボランティアで皆さん協力するわけでございますので、そういう名称の方がよりよい協力が得られるではなかろうかと、そのように思いますので、この点についてのお考えをお伺いしたいと思います。 それから、平成15年に開催される静岡国体に向けて、やはりあと6年あるわけでございますけれども、富士宮市では2種目を開催すると。開催地となるわけでございますので、静岡国体へ毎年おおむね富士宮市在住の選手・監督の皆さんは約30名ぐらいは毎年国体には出場しているというのが現状でございます。そういう中で静岡国体に向けて選手の強化育成、これについて小学生の高学年、中学生、高校生等に育成強化という市としてのお考えがありましたらお伺いをしたいと思います。 先ほど市長の方から答弁のありました富士宮駅伝競走のコースについて、これは市民の皆さんどなたに聞いても、何とか住宅のあるところを通ってほしい。そして47回も続いているこの歴史ある駅伝の競走について、何とか市長が先頭になってコースについて検討をして、皆さんの応援できるような、また思い出に残るような選手の皆さんが参加して富士宮駅伝競走大会に出場したという思い出と、そういうようなコースを考えていくべきと思います。 これは2月23日の岳陽新聞の随想の中で富士宮市在住の北町の小山なか江さんが随想の中で富士宮駅伝で応援ということを書いてあるわけでございます。その中の一部を読ませていただきます。「私がこの場所に立ち始めて応援した日、物すごい風雨で、走ってくる選手も目の前に来ないとだれだかわからないほどでした。でも、声をかけると私の方を振り向いて走っていった選手も忘れずに私がいる場所を覚えていてくれるのがうれしく思います。速い選手も遅い選手も皆一生懸命頑張っているのですから、見物気分でなく力強く応援してやりたいと思いました。他県からも他市からも大勢来ているのです。この人たちに応援してもらってよかった。また富士宮市に来たいなと思ってもらえるように心がけたいと思います」。 この駅伝大会は、市外、県外の選手も参加しているわけでございます。そして応援してくれる富士宮市民の皆さん、こういう気持ちの人が大多数だと私は思っているわけでございます。そういうことを考えたときに、やはりこのコースは皆さんが応援しやすい、そして市民の皆さんが富士宮の駅伝はこういうものだというものを見ていただく、そういうコースを富士宮市として考えるべきだというように思いますので、この点について市長は検討して、早い段階にこの問題について検討すると言っておるわけでございますけれども、どうしてもあと3年たちますと50回大会になるわけでございます。これは富士宮市として50回の駅伝競走大会というのは半世紀でございます。これにはどうしても間に合うように市長の御努力、また各関係の機関の協議の中でやっていただくような考えを再度お伺いを申し上げたいと思います。 また、富士山一周駅伝については、これが実現する運びになれば恐らく国際的な駅伝大会になることは間違いないというように思っております。               〔「そのとおりだ」と呼ぶ者あり〕 ◆20番(河原崎澄雄議員) ここで市長に、中国の学者で老子がいわく「千里の道も一歩から始まる」ということを言っておるわけでございます。すなわちどんな大事業でもまず始めることであると。とにかくやらずにできるはずがないということでございますので、市長、この富士山一周駅伝について千里の道も一歩から始まる、その気構えで進んでいただきたいと、そんなように思いますので、市長の再度の決意をお願いを申し上げたいと思います。 体育館施設の借地方式については、教育次長の答弁でもやっていきたいということでございますので、これは早急に、庁内において借地方式でやっていくという考えがあるようでございますので、その内容等を煮詰めて、もう地主の方で協力してもいいという方も二、三あるわけでございます。そういうことを考えたときには、あとは建物の投資ということでございますので、この点について煮詰めがいつごろまでにできるか、再度教育次長の方から御答弁をいただきたいと思います。 以上で御答弁をお願いいたします。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) まず、富士宮駅伝について、50回の記念すべきときに向かって一層奮励努力せよというお話でございます。実は今年もちょっと言ったのですけれども、言ったときはもう遅かったのですけれども、陸連としてこういうところを走りたいんだ、こういうコースがまあまあ我が方としては望ましいんだ。一番望ましいというのは昔の国道139を登るのが一番、昔の部落を登るのが一番いいのでしょうけれども、妥協点はこの辺なんだというようなコースをまず知らせてもらうことが先なのかな、でないと警察と話をするときにも警察の方の返事のしようがないのではないのかなと思っておりますけれども、その辺についてはまた体協会長という立場からも陸協等との話もひとつ詰めて、早速、さっき言いましたように、まだ原案が固まらないうちに今年を振り返ったときも含めて話してみたいと思っておりますので、今署長ともそういう話にさっき言ったようになっていますので、異動のないうちに早く話を詰めたいと思いますので、早速話し合ってみたいと思います。ただその前に、それについての教育委員会を含めて、陸協を含めて、この辺のコースはどうなんだというのがあったらば出していただければありがたいなと思っております。 富士山一周については、確かに場内からもしっかりやれという話がございましたけれども、構想としては大変私も賛成しているのです。できれば一番いいなと思います。千里の道も一歩からだと言いますけれども、その一歩をどの辺にするなのか。まず県警の説得、それから山梨地域の市町村から山梨県警へ上げてもらう努力、そして両県警が説得をして警視庁へ上げる努力という段階を積み上げていかなければならないという手続だけはわかっておりますので、それらに向かって引き続き努力はしていきたいと思っております。 ○議長(太田美好議員) 教育次長。 ◎教育次長(田中洋君) スポーツボランティアバンクについてお答えします。 生のお声を伺いますと、やはりスポーツボランティアバンクとスポーツ指導者登録銀行と相当ニュアンスが違うと思います。大勢の市民の皆さんにお声をかけてボランティアに参加してもらうということになりますと、スポーツ指導者となりますと、スポーツに余りたけてない人はどうも二の足踏むかなということも考えられますので、その辺十分わかります。だもんですから、もっとスポーツボランティアバンクを中心に、なるべく大勢の皆さんが取り込みやすいような、そういった方法で拡大をしていきたいと、このように考えております。 それから、借地方式でいつまでかということで、教育委員会の答弁につきましては、財源的なことを引き合いに出しますとなかなかお答えがしにくいもんですから、それはそちらへおいて、少しでも施設整備を早急にやりたいと、早くやりたいということから、いつとはお答えできませんけれども、早急に、人のまねもあれですけれども、いいことはまねすべきだということで、他にどんなものがあるかと。今、例えば物見山とか潤井川の少年のスポーツ広場なんていうのは上物のないところを借りているということで、上物のあるところを借りてどうかということをいろいろな立場から庁内的に検討して早急に答えを出したいと、このように考えます。 あと強化方式につきましては教育長の方からお答え申し上げます。
    ○議長(太田美好議員) 教育長。 ◎教育長(藤井國利君) 国体に備えて選手強化をどうするかということにつきましては、県の教育委員会の方でも地域スポーツ活動の場において地域スポーツ指導者のもとで競技力向上を目的としたスポーツ活動を行うというような趣旨の計画があるわけですが、それらと競合しながらといいますか、そこらと調整をしながら生かせるものは生かす中で地域に合った取り組みをしていく必要があると思います。 バドミントンとソフトボールが当市の担当種目でございますが、そのうちのバドミントンの協会の方から指導者の配慮、これは特に教職員等の中にもその経験者がたくさんいるわけで、そういう形の人事配置の問題とか、あるいは小中学校の施設の活用について、計画的にもう少し弾力的な計画的な活用ができるような方策はないかどうかというようなことも含めて相談も受けているわけでございますので、全面的に検討して協力体制をとっていくのが当然だと考えております。 ただ、各種の体育協会の属する種目別の担当者との話し合いとか理解とか、そういうものもあると思いますので、協会の意向を主体にしながら最善の協力体制、配慮に努めていきたいと、そういう気持ちでおりますので、具体化とともに取り組みたいと、そういう気持ちでおります。 以上です。 ◆20番(河原崎澄雄議員) 再々質問をいたします。 ただいま教育長の選手の強化について全面的に協力していくというお話でございますけれども、具体的に平成8年度においてもジュニアスポーツクラブ事業とか優秀選手発掘基礎体力養成事業等が県の補助対象の中であるわけで、こういう点について来年度以降どうなるのか、そして教育委員会としてこういう問題どう考えていくのか、受け皿として、そしてこの体育振興の関係の団体にどういう話をしていくのか、それについてお伺いをいたします。 それから富士宮駅伝について、大変富士宮駅伝が150余チーム出たわけでございますけれども、非常にボランティアの協力の数が多いわけでございます。525人というような、あの大会をやるに525人のボランティアの皆さんが協力してくれている。これは警察をはじめ交通指導員、安全協会、中体連、高校生、中学生、書道連盟、ボーイスカウト、それに市の職員、リーダーバンク、それにボランティアという皆さんが、あの大会をとにかく縁の下の力持ちでやっているわけですね、500名余の人が。そういうことを考えたときに、やはり集まってくる選手も約1,000人。1チーム6名でございますから、7名編成でございますので、1,000人余でございます。それに監督、コーチ、付き添い等々入れると相当の人数になるわけで、やはりこの来た皆さんに思い出になったようなコースを富士宮市としてどうしてもつくっていきたい、そんなように思いますので、市長の決意もお聞きしたので十分わかりますので、市長にはよろしくお願いをしたいと思います。 それから富士山一周駅伝、これも市長頑張ってやるということでございますので、期待をいたしまして、60周年の市制施行の記念事業の目玉としてできるようなことをよろしくお願いを申し上げたいと思います。 では教育委員会の方から答弁を。 ○議長(太田美好議員) 教育次長。 ◎教育次長(田中洋君) 静岡国体に向けての選手強化でございますけれども、小学生につきましては、平成8年度については優秀選手の発掘、基礎体力養成事業実施要領というものがございます。中学生につきましては、平成8年度ジュニアスポーツクラブ事業実施要領ということがありまして、中学生については1種目単位で地域のスポーツ指導者のもとで競技力の向上と、小学生につきましてはユニット方式といいまして、4つの種目をワンセットにした、そうしたユニットということで、これも中学生と同じように地域の少年を対象にさまざまなスポーツを体験させて、将来専門的に行うスポーツへの選択の一助とするということでやっておりまして、富士宮市におきましては、平成8年度に五つ、小中学校合わせて県の補助事業としてやっております。1事業につき14万円の補助金があります。これも当然これからも継続してやっていきますけれども、平成9年度におきましては県の補助金ばかり待ってはいられないということで、市としても総額10万円の額でありますけれども、そういった選手の育成強化に補助金も出して積極的に取り組んでいくということでございます。手続等につきましては社会体育課が窓口になりまして、先ほど教育長が申し上げました学校の体育の教師等々と連携をとりながらその事業を推進しております。 以上です。 ◆20番(河原崎澄雄議員) どうもありがとうございました。 ○議長(太田美好議員) 10分間休憩いたします。                                     午前10時49分休憩       ────────────────────────────────                                     午前11時00分開議 ○議長(太田美好議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 通告順により、3番 手島皓二君の質問を許します。                〔3番 手島皓二君 登壇〕 ◆3番(手島皓二議員) 今回は平成9年度予算を編成するに当たって、当局がどういう方針で予算をおつくりになったのか、基本的な考え方についてお尋ねをしたいと思います。 議会の方には当局作成の来年度予算の会計予算書が既に届いております。予算の中身につきましては、後日、市長からの施政方針を受けて詳しく議論されることになると思います。そこで本日は、今回の予算をつくるに当たって、市はこの厳しい財政事情の中で一体市民に対して何を訴えたいのか、あるいは予算を通じて市の将来像をどういうふうに描いているのか、そして市の行政としての役割と私ども市民としての果たすべき事柄についてどう考えておられるのか等について、基本的な考え方について幾つかの質問をしてみたいと思います。 さて、国及び県では、来年度予算の議会審議が佳境に入っております。いずれも厳しい財政事情のもとで財政支出をいかに抑制するかということが最大のテーマになっております。つまり、財政支出の合理化ないしは削減なくしては財政再建なしという点で、官民あるいは国民の間にコンセンサスができ上がっているのではないかと考えます。国の予算は、ここ数年間の景気浮揚のための刺激型予算、つまり赤字国債を増やしてでも国が景気のてこ入れをする。財政主導の経済運営から方向としては大きく転換をいたしまして、増税と赤字国債の削減という両面作戦による財政再建優先の予算に変わろうとしていると言うことができると思います。 そこで質問の1、予算の基本的理念についてお尋ねをいたします。 市長は今回の予算をつくるに当たって何を基本的に最も重要視されたのでありましょうか。市の財政運営についてどのような基本的な考え方、難しく言いますと理念をお持ちだったのでしょうか。また、財政面で市民に対する市の行政サービスの制約が出てくるということがあるのであれば、今回の予算づくりに当たって市としてどんな知恵を絞って予算をおつくりになったのかお尋ねをしたいと思います。財政難のために、これまでのように市による一方的なサービスや役割が期待できないということであれば、市民として自らにどのような役割、負担を課していけばよいのでしょうか。市長のお考えをお聞きしたいと思います。 質問の2、同じく基本的な考え方についてお尋ねをいたします。 国でも地方でも、でき上がった予算を見て一言で何型予算という呼び方をすることがあります。市長は今回の予算を一言で言うとどういうふうに表現をしたいというふうにお考えになっているのでしょうか。別に語呂合わせをしていただきたいということではありませんけれども、今回の予算づくりを通じて、一言で市民に一番訴えたかったことは何なのかお聞かせをいただきたいと思います。 以上の2点についてお答えをいただきたいと思います。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 以下多数にわたって市の予算の基本的な物の考え方についての御質問がございますけれども、最初の2点についてまずお答えを申し上げたいと思います。 これは施政方針でも触れるつもりでございますけれども、まず大きく考えなければならない問題は、今お話がちょっとありましたように、今まで景気が悪い、だから経済浮揚策として公共投資を中心に景気刺激をずっと行ってきた。ここ4年くらいそういう景気浮揚策を行ってきたわけでございますけれども、そういう施策をやっても、あるいは減税をやっても、資金の金利自身を非常に安く抑えても思うような景気回復過程がたどれないだけでなくて、その効果は上がったとはいいながらも、その次に続く企業の設備投資、消費の拡大というような形でもって景気浮揚に結びつけられなかったと。なかなか結びついていかない等々の反省のもとにひとつ考えなければいかん。同時に、もうそういういわゆる公共投資重点によるところの景気浮揚というのが終わったということを念頭に入れながら今からの予算というものを考えていかなければいかん。1930年以来に伝統的に行われてきたいわゆるニューディール政策的な物の考え方というのはもう現在の経済構造の中では通用しないんだという発想自身もやっていかなければいかんというあたりが、今年の予算を組むに当たっての国・県・市町村を含めて一番念頭に置かなければならないことだというふうに思っております。つまり、同時に今までの高度経済成長時代の中で、その延長線では当然物を考えられないというだけでなくて、今お話のございました財政支出の合理化あるいは削減なくて財政再建なしというのが国民的なコンセンサスになっている。とはいいながらも、我々自身も含めて、前回も申し上げましたけれども、意識の中にいわゆる高度経済成長の物の考え方にどっぷりとつかった慣れがまだまだあるのではないだろうか。総論については賛成するけれども、財政再建なしという財政支出の合理化というものについては賛成するけれども、しかし各論になるとなかなか賛成しかねるという問題が今、国でも地方でも起こっているということについて、まずこの合意形成というものが我々自身が始めなければいかんし、議会、市民の皆さん方にもお願いしなければならない問題だということを念頭に起きながら予算を考えさせていただきました。ただ、その中で総合計画の2年目だという問題も含めて総合計画の実施事項をお決めいただいてございますので、それらをまず念頭に入れながら考えてきたということでございます。 しかし、実施計画に基づいて考えましたけれども、実際の財政の厳しさというのはそれ以上に厳しい問題もございますので、その中でもまた時期を伸ばしたり、あるいは見直したりしなければならない問題も当然出てくる。あとの特別会計のときも出てまいりますけれども、企業会計のときも出てまいりますけれども、市立病院の運営問題等も、ただ単に漫然と予定どおりなかなかやることは難しいのかなというような反省も踏まえて財政を組ませていただいたということが第1点でございます。 もう一つは、行政改革大綱をせっかくお決めいただきましたので、その大綱、それに関連がありますけれども、施策について行革、まず、過日申し上げましたけれども、行革元年という立場でまずスリム化への準備を始めさせていただいた。一遍にざっと切れるものばかりではございませんので、そのためのまず準備を始めさせていただいたということでございます。さらに、経費の節減、歳出の節減、これは切れるだけ切らせてもらったというふうに考えております。 一、二例を申し上げますと、例えば食糧費であるとか印刷費であるとかというような需用費については、全体予算額自身があれですけれども、全体では8,500万円ぐらいの前年対比の減になっているのではないでしょうか。もちろん市長交際費をはじめ、議長さんの方にもお願いをして議長交際費の方にもメスを入れさせていただいたというような経緯もございます。 一般的に物件費と言われているものについては、できるものについては昨年に引き続き10%カットを行いましたけれども、その総額をざっと計算してみますと、1億四、五千万ぐらいはこの物件費についての削減ができたのではないかというようなことで経費の削減に努力をさせていただいと。 同時に、大変市民の皆さん方には心苦しい話でございますけれども、過日議会でも御決定をいただいたように使用料及び手数料等々の消費税問題も含め、あるいは手数料の他の市町村等との問題も手数料・使用料の問題も含めて改定をさせていただいて入りの問題についても配慮をさせてもらったというふうに思っておりますし、結果から見ますと全体の組み方としては国の施策や改定もございまして、福祉あるいは健康というものがかなり全般の予算の中では増えている。けれども、今までやってまいりました公共事業費的なものについての、いわゆる土木費的なものについての額自身が、青見橋の完成というような特殊な事情もございますけれども、落ちているというような結果になっております。今後も行政のやるべき分野、それから民間にお願いしていく分野、こういうものをはっきりさせながら行政サービスの範囲というものを明確にさせながら、極力歳入の確保、歳出の削減に努力をしていきたいと思っております。 この予算をどういうふうな性格の予算として見ているかということでございますけれども、一口で言えば緊縮予算とばかりも言えませんので、緊縮健全型の予算だというふうに私としては考えたいと思っております。その中で総合福祉会館あるいは清掃センターの余熱利用、多目的広場等の大型事業を執行しながら将来の財政負担を十分念頭に入れながら総合計画にあるものを実現していくための努力を続けていく。同時に、健全という意味では、市債の発行につきましては昨年に比べて7億円くらいの減額をすることができたというふうに考えております。 ◆3番(手島皓二議員) 続けて質問に入りたいと思います。質問の3、地方交付税についてお尋ねをいたします。 富士宮市はここ10年間ほど見ても、地方交付税交付団体になったりならなかったりの繰り返しであります。平成6年度からは交付団体となって、来年度予算も交付を前提にして予算がつくられていると思います。市の財政運営の基本的方針として、例えば何とかして支出を抑えるとか、あるいは逆に収入を増やすといった手だてをするとかして財政力指数を1に戻そうというお考えはないのかどうか、このまま交付団体でずっといこうというお考えなのかどうかお尋ねをいたします。 質問の4、義務的経費についてお尋ねをいたします。 市の予算上、いわゆる義務的経費が毎年増加をしてきております。来年度も総体的に増加していく人件費、民生や衛生にかかわる費用、公債費の増大など、支出が自然に増加をしていく経費の割合が約4割にもなります。つまり、それだけ市独自の裁量で行う事業の幅が狭くなってきております。言いかえますと、渡辺市長色の予算がつくりにくなっているということが言えるのではないかと思います。もし富士宮市独自の個性ある予算づくりをめざすということであれば、こうした財政構造の硬直化に対してどう対処しようとしているのか、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。 質問の5、歳入増のための方策についてお伺いをいたします。 財政の弾力性を確保するための一つの方策は、歳入を増やすことであろうかと思います。財政再建という観点から考えてみましても、歳入を議論しないで歳出削減ばかり議論しても、財政再建にはならないということができると考えます。 そこでお伺いいたしますけれども、来年度予算策定に当たって歳出の削減と歳入の増加といった点についてどのようなバランスで議論があったのかお聞かせをいただきたいと思います。歳入増のための施策ということであれば、当然市民税の中の大きな位置を占めております法人部門の立て直しを図るということが必要かと思います。つまり産業経済の振興、活性化ということになろうかと思います。今回の予算の中で農林水産、商工、土木といった部門についてどのような手厚い議論と検討が行われたのか、改めてお聞かせをいただきたいと思います。 質問の6、公共事業費の見直しについてお尋ねをいたします。 国においては、歳出削減のための最も重要な点として公共事業費の見直しが一番手に上がっております。今の市長の御答弁にも公共事業費のことについては御指摘がありました。例えば、国の1995年から2004年までの10年間の公共投資基本計画達成のためには、毎年5%に近い事業費の増加が必要とされております。富士宮市でも平成8年度から新総合10カ年計画がスタートいたしました。来年度の予算をつくってみて、3年ごとに見直すことになっています投資的事業は中期的な歳入見通しから見ても達成可能なのかどうか、あるいは財政再建、健全化という観点からして見直しの必要があるのかどうかお尋ねをいたします。 質問の7、続けて公共事業の見直しについて質問いたします。日本の財政の仕組みからいいますと、まず長期的な基本計画を策定して、それに基づいて公共事業実施計画が決まり、毎年の予算はそれを後追い的につけていくといった形になっております。 そこでお伺いいたしますが、毎年の公共事業予算を決めるに当たって、改めて個別の事業の必要性あるいは普遍性について原点に戻って議論をするというようなことがあるのでしょうか。それとも一たん認めて動き出した以上は、後追い的に予算が自動的につけられていくということが来年度予算についてもあったのかどうか、改めて質問をいたします。 以上の点について簡潔で結構ですから御答弁お願いいたします。 ○議長(太田美好議員) 企画部長。 ◎企画部長(中村伸介君) まず、財政力指数の関係について御答弁申し上げます。 財政力指数については、議員の御質問のように、平成4年度、5年度が1.001、それから6年度が0.966、7年度が0.927、8年度が0.903が推移をいたしたわけでございます。地方交付税も6年度以降交付団体ということになったわけでございます。交付額についても8年度は15億4,477万円、こういうふうになっております。 御承知のように、基準財政需要額は標準的な行政運営に対する経費を算出するわけでございます。それから、これの財源に充てるものが基準財政収入額になるわけです。この基準財政需要額と基準財政収入額の差額が地方交付税と、こういうことになるわけでございます。でありますので、税収が増えれば当然基準財政額が増えて需要額と収入額の差は、収入額が需要額を上回れば、これは1を超えるわけでございまして、財政力指数は1以上になりまして、御指摘のとおり、地方交付税が交付されない不交付団体、こういうことになって実際は望ましい状態になると、こういうことでございます。当然のことながら、安定した行政運営を図るためにも収入を増やす努力をいたしまして、交付税を何とか指数を1以上に戻すという努力は、これは当然でございます。 しかしながら、現在の国の補助金等の交付状況を見ますと、交付率を下げて、その下げた率を基準財政需要額で見ますよ、交付税で見ますよと、こういう政策がとられてまいってきております。そうなりますと、そういう補助金を基準財政需要額に置きかえますと当然基準財政需要額が増えてくるわけですね。でありますので、その辺で基準財政収入額と需要額の関係が非常に難しくなる、こういうことになるわけでございます。 それと同時に、市債等をする場合においても、市債の元利償還金を地方交付税で見ると。地方交付税で見るということは基準財政需要額の中へ算入をすると、こういうことになるわけです。でありますので、必然的に基準財政需要額が増えてくるわけですね。しますと、先ほど申し上げましたように、基準財政収入額がよほど上がりませんと、基準財政需要額が増えてまいりますと1に近づかないで、かえって逆に0.幾つというような1を割る数値が多くなる。こういうことが現在のいろんな財政配分制度等から見てそういう傾向にあると、こういうことでございます。これらについては当然経費の節減等について今後も一層の努力を払って、基準財政需要額をなるべく少なくする中において、一方、税収等を上げることによって基準財政収入額を上げていくと。こうなりますと1に近づくわけでございますが、なかなかその辺については厳しいわけでございまして、今回の予算の財政の指数も0.9を割るような結果に実はなっておるわけでございます。今後ともそれらについては経費の節減等を通じて基準財政需要額の減額に努めるような努力を払っていきたいと、こんなふうに考えております。 それから、義務的経費の増大による財政構造の硬直化にどう対処しようとしているのかと、こういう御質問でございます。非常に難しい問題でございます。行政需要が多様化するに伴って、御指摘のように義務的経費は当然増えてまいります。義務的経費と申しますと人件費、扶助費、それから公債費、この三つが義務的経費と言われる経費でございますが、現在においてもこれは増え続けております。ただし、このうち人件費については、御案内のように、職員の採用等をなるべく抑えて、人件費については、行革大綱にもありますように、その実施計画に基づいてなるべく抑える方策はとっております。 それから公債費についても、将来これが公債費として義務的経費になりますので、起債についてもその発行についてこれらの点を考慮しながら、先ほど市長からも御答弁がありましたように、公債費については将来の義務的負担を考えながら起債についても極力抑制をしたと、こういうことでございます。特に財政構造の硬直化の一因となりますこれらの義務的経費については、なお一層これらの点について努力をしてまいりたい、こんなふうに考えております。 また一方、財源面においても国・県の補助金、あるいは起債の元利償還金の交付税措置の活用、ですからそういう元利償還金が交付税に算入されるような起債を選んでこれを活用していくと、こういうことになります。そういうようなことで極力義務的経費の節減については、先ほどの市債の問題については裏腹の関係がございますが、そういう点を心がけながら、その節減合理化に努めてまいりたい、こんなふうに考えております。 それから、予算編成に当たって歳出の削減と収入の増加とどのようなバランスで議論されたか。それから、いろいろと農林水産、商工、土木、そういう部門との議論は検討がなされたかと、こういう御質問でございますが、予算編成は、御案内のように総合計画の3カ年の実施計画の初年度の事業ですね。ですから本年は実施計画が第二次になります。9年、10年、11年、その9年度の初年度の事業を柱にして予算編成がされるわけでございます。実施計画は毎年度、財政計画によりまして投資的経費の中へ投入可能な一般財源を算出しまして、その事業量を決定をしてまいるわけでございます。その額によりまして一般財源の投入できる可能な額によりまして、その年度の事業もほぼ確定をされるわけでございます。 そこで歳入の54.9%を占めておる市税の増減がやはり予算規模を大きく左右をすることになるわけでございます。そういう意味から財政計画策定時の見通しと、それから予算編成時の見通し、その一般財源の見通しが非常にそこでギャップが出た場合には非常に苦慮をするところでございます。 そんなことで、今回の予算編成時においては景気は必ずしも回復していると言えない状態の中でありますので、各種の経済指標あるいは見通し、それから企業の実情を踏まえて法人市民税については多少の伸びを見込んだわけでございます。また、その他の歳入につきましても、いろんな角度から検討を加えまして、先ほどこれもやはり市長から御答弁ありましたように、使用料・手数料については見直しをさせていただいたと、こういうことでございます。 そういう中で歳出についてもやはり経常経費を中心とする経費の削減にこれは努めて、限られた財源でありますが、総合計画の将来都市像の実現のための主要施策と将来の財政基盤確立のための事業、それから活性化に連動する事業、それから特に本年は市制55周年記念の年に当たりますので、その記念事業等を主体としまして、歳入との調整を図りながら予算措置をいたしたわけでございます。 それから、3カ年の投資的事業の関係でございます。これは達成が可能かどうか、また見直す必要があるのかと、こういう御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、総合計画は10カ年の総合的な施策を示したものでありまして、その具現化のために3カ年の実施計画を策定しております。昨年策定した第一次の実施計画は、8年、9年、10年とこの3カ年であったわけですが、今回の平成9年度は第二次の実施計画になります。これも先ほど申し上げたとおりでございます。実施計画は計画年次を3カ年と一応いたします。 今年の予算は、9年度の予算は9、10、11と3カ年の中で9年度の事業を主体にして予算編成をしてまいりました。でありますので、昨年の8、9、10の事業と、それに11年度を加えますので、当然その中で見直しを行ってまいります。でありますので、昨年の9年度、10年度事業が本年の9、10、11の3カ年の第二次の中では当然見直しを行って進めてまいります。 でありますので、議員御指摘の見直しが必要かどうかということでございますが、これは総合計画基本計画に盛られている事業と毎年実施した事業、実施計画ですね、実施計画の間に大きなギャップが生じた場合には、これは総合計画基本計画を見直す、こういうことになるわけでございます。でありますので、各都市で行われておりますように10カ年の総合計画が大体5年くらい経過した中で基本的計画と実施計画に大きなギャップがある場合には、当然その時点で見直しをしていくと、こういうことになるわけでございます。 そんなことで、本年につきましてはそこらの点を加味しながら、採択事業についても昨年度採択した9年度事業であっても後年度に1年ずらすとか、あるいは新規に採択をする事業に当然入ってくるわけでございます。そんなことで本年は特に前年度の額をただ踏襲をするということでなくして、事業の緊急度、重要度、そういう面から昨年の実施計画の9年、10年事業についても11年を加えて見直しを行って9年度事業を予算に計上していくと、こういうことで予算づけをいたしてございます。 それから地方財政の立て直しのためにですね。            〔「簡単でいいですよ、答弁」と呼ぶ者あり〕 ◎企画部長(中村伸介君) 地方財政立て直しのために、道路、河川等個別事業の減額や発注方法の改善等を通じて単年度事業費を減らす議論はと、これにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、実施計画のヒアリング、それから予算査定、その中でこれについては関係各部課とのヒアリング、あるいは予算査定の中で十二分にこれらの点については議論をし、今回の予算編成に至ったわけでございます。 それから、公共事業の予算を決めるに当たって、その年度の必要普遍性について議論はされたか、長期基本計画に定め、公共事業実施計画が決まる、予算は後追いではないかと、こういう御質問でございますが、これは先ほど申し上げましたように、総合計画基本計画をもとに策定されます実施計画ですね、3カ年の実施計画をローリングしながら、その当初の年度の予算を当初予算に反映させていく、こういうことで先に実施計画が定まって予算づけが後追いではないか、こういう御指摘だろうと思います。これについては、やはり実施計画の段階で十二分に市の各部課における優先順位をもとにして、実施計画を提出した事業についても予算査定の中でさらにそれらについての緊急度、あるいは重要度、こういうものを検討する中で予算づけを行っていくということでございますので、決して後追いではないというふうに考えております。 以上でございます。 ◆20番(河原崎澄雄議員) 手厚い丁寧な答弁ありがとうございます。全体で質問を終わらせたいと思いますので、協力をお願いしたいと思います。今の質問と答弁に関して再質問をいたします。 財政力指数についてですけれども、かつては、つい最近までは1.0以上であったわけですね。最近ずるずるずるずる交付団体になっているわけですけれども、市として1.0以下と1.0以上になって交付団体になった場合の予算組みの違いというのがあるのでしょうか。例えば自主的な事業をやろうとしてもできなくなったとか、先ほど答弁の中に起債も元利償還金に導入されるものを選んでやりたいということになりますと、国及び県の事業に合致するもの以外はなかなか手がつけられないということになるわけですね。こういうことになりますと政策的な予算づけそのものが非常に硬直化をしてくるわけですね。富士宮独自の必要な政策というのは一体どういうふうに生かしてつくっていくかという問題があると思うのですけれども、これから来年度については交付金をもらうことが前提になっていますけれども、近い将来、再び1以上の団体になろうというお考えがあるのかどうかということを一つお伺いをいたします。 それから、収入増についてお伺いいたしますけれども、先般来、法人市民税の超過課税が決まりました。企業に対する課税の強化はあります。これも議会として納得をしましたけれども、これは前々から企業誘致、工業団地をつくるに当たっての企業誘致先に絡んで景気浮揚、企業振興をするためには富士宮市独自として一体何を考えてやるべきかという議論をこの1~2年間やってきたわけですね。例えば固定資産税の減免とか雇用助成金の交付とか、地方自治体独自でやっている施策もあるわけですね。来年度、答弁の中では法人部門の収入増を図ることを考えている、予定もしているということですけれども、自然に法人の方から上がってくる税収を期待するだけで市は何もしないということなのかどうか。つまり具体的な施策を議論した経緯があるのかどうか、この2点についてお伺いをいたします。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 財政力指数云々の問題、また後ほど答弁した関係で企画部長の方からいたしますけれども、公共事業の問題ですね、これについては基本的には今まで公共事業でもって市のやりたいもので補助金のつくものについては満度に入れていこうじゃないか、こういう姿勢でやってまいったつもりでございます。1本農道をつくるにしても市道をつくるにしても、そこでもって公共へ乗っかればその補助部分だけは市の単独負担でやるよりもはるかに安くなるという考え方でもって、たまたま景気浮揚策というものを含めて満度にもらってくるという格好で、河川についてもああいう格好でもってやってまいりました。 ただ、ここへ来て若干の反省は、川については今までどおり公共へ乗っかって3面でばたばたやっていっていいなのかというような議論が一つある。それから土地改良事業等についても、今までと同じような格好でいいなのかというような議論もある。それから土地改良事業等についても、今までと同じような格好でいいなのかというように議論もある。ウルグアイ・ラウンドに乗っかった格好のいわゆる農業振興策だけでもって地方は本当に農業が発展しているのかという議論もある。それらも踏まえて公共事業全般が先ほど言いましたような見直し時期にはあるだろうとは思います。思いますけれども、国・県の予算で使えるものは最大限地元のために使っていくということを含めて公共事業に対する態度は臨んでいきたいし、今後とも考えております。 あと一般企業に対して何の対策やったんだという議論でございますけれども、産業基盤というのは富士宮市としては東海道からちょっと離れたがゆえに工業等の振興が大変おくれたというような問題もあろうと思いますので、やはり交通アクセスという問題を大重点に考えていくということが必要だということと同時に、固定資産税についての新規導入の減免云々という議論はございますけれども、これはまだもう少し県段階等とも議論は詰めていくところでございます。もう一つは、やっぱり富士宮へ来る企業の魅力というのは水だということでもございますので、水については来る企業にはなるべく不便をさせないような配慮を市として考えていく必要がある、こんなふうに思っております。 以上です。 ◆3番(手島皓二議員) ありがとうございました。それでは続けて質問いたします。 質問の8として、シーリング方式についてお尋ねをいたします。 当局は、昨年10月に各部局に通達した平成9年度予算編成方針の中で、経常経費のうち特殊なものを除いて、旅費、需用費、役務費、使用料及び賃借料等について10%マイナスシーリングを行うこととされております。また、投資的経費の項目の中で採択事業以外の投資的経費は、前年度当初予算の10%減で要求することとされております。このシーリング方式というのは、国でも地方でも財政難の中の予算編成でよく議論され、支出を抑えるための重要な手段とされております。しかし、市が基本方針として求めた10%マイナスシーリングというのは、逆に言いますと該当する予算は前年度比90%までは認めますよということになります。予算を要求する側の立場からしますと、この方式ではどんなことがあってもゼロ査定になるという心配がないわけでありますから、目いっぱい前年度比90%の予算要求をすれば少々問題があっても必ず予算がついてくるということにもなりかねません。つまり、このマイナスシーリング方式というのは日本の縦割り行政と縦割り財政に合わせた便宜的、硬直的な予算減額方式とも言えます。主として今後ともこの方式で効率的な予算編成を行うことができるとお考えになっているのかどうかお尋ねをいたします。あるいは一部の部局、事業計画についてはゼロサムベースの予算方式を議論された経緯があるのかどうかお尋ねをいたします。 質問の9、決算の評価についてお尋ねをいたします。 日本の行政社会におきましては、一たん認められた予算は当該年度内に全部使い切ってしまうという建前になっております。つまり、もし予算を残すようなことになりますと、予算を要求した当初の積算根拠が間違っていたということになります。これが民間ですと与えられた予算を何とかしてやりくりをして支出を抑える、最後に予算を残しますと、残して安く仕上げた方が評価をされるということになります。つまり、民間では基本的な考え方として予算よりも決算を重視する考え方であります。規則上、支出に間違いがなかったかどうかだけを確認する行政の決算のやり方で果たして予算の合理化、効率化ができるのでありましょうか。財務会計の見直しも含めて、節約をして事業を完了したものを高く評価するシステムをお考えになったことがなかったのかどうかお尋ねをいたします。 質問の10、補正予算についてお尋ねをいたします。 また、同じく市の予算編成方針の中で年度途中の補正は制度の改正、災害と真にやむを得ないもののほかは原則として行わないとあります。この考え方でいきますと、財政の健全化をめざす上で当初予算でやらなかったものを後で組み込む補正予算は緊急的なものを除いて原則禁止にするということになろうかと思いますが、来年度の市の予算もこうした考え方でつくられたものと受けとめてよろしいのでありましょうか。 質問の11、特別会計及び企業会計の赤字の問題についてお尋ねをいたします。 国においても、年々特に福祉関係を中心として義務的な経費が増大し、財政再建の上で大きな議論になっています。富士宮市でも幾つかの特別会計では、当初から市からの繰入金が予算編成の大前提になっております。基本的には、地方においても特別会計あるいは企業会計を放置したまま一般会計だけをきれいに見せても、財政再建の上で問題解決にはならないのではないでしょうか。特別及び企業会計としたのは単独の事業会計として独立をさせて、その収支とサービスを市民の前に明確にした方がよいと考えたからではないかと思います。そして事業として独立して実施する以上は経営の理念が欠かせないわけであります。このまま進んでいきますと、国の財政や特別会計ではありませんけれども、市においても特別及び企業会計が隠れ赤字の道具として使われるおそれなしとはしません。当局におかれましては、この点具体的な議論があったのでしょうか、なかったのでしょうか、お伺いをいたします。 質問の12、値上げとコスト削減についてお伺いをいたします。 国においては、消費税の税率引き上げ、特別減税の打ち切り、税の自然増収、保険料ほかの値上げなどにより、来年度は約10兆円の税収増が見込まれています。しかしながら、現在の政府の予算案では、収入増は基本的に支出の増加に回される可能性が強く、財政再建を目指す上で決して歳出の削減や財政構造の改革にまで直結していないのが実情であります。今回富士宮市でも消費税の徴収や手数料の改定などを通じて収入増を図っています。これで新たに得た収入がどれだけ市の財政の健全化に使われることになるのか、予算書を拝見しただけでは不明であります。まさに増税なき再建ではなくて、増税あり、歳出増もありのこれまでの財政路線の踏襲であると考えます。今回の収入増を市民にわかる形で市財政の改善あるいは福祉の向上にこういうふうに使いました、あるいは使おうといった議論があったのかどうかお聞きをしたいと思います。 最後に、経済見通しについてお尋ねをいたします。 入るをもって出ずるを制すということは、一昨年、私が初めて議会質問に立ったときに申し上げたことであります。来年度の予算を考えるに当たって一番大きなポイントは、やはり収入の見込み、そのベースとなる来年度の景気見通し、経済予測がどうなるかということであろうかと思います。政府による来年度の実質経済成長率の見通しは1.9%、同じく民間の全調査機関56社の平均は、政府見通しの1.9%よりか低い1.4%で、来年度は今年度よりも成長の伸びは低いということになっております。97年度の日本経済を展望いたしましても、その前途には消費税引き上げによる前倒し需要の反動、実質購買力の低下、特別減税の打ち切り、民間住宅投資の減少、公共投資の腰折れ、緊縮型の財政支出など、成長率の引き下げ要因がずらりと並んでおります。緩やかな回復といっても、その回復力はいかにも弱い見通しであります。ということで、市として来年度の市経済の動きについてどういった見通しをお立てになっているのか、改めてお伺いをいたします。これが市の財政収入を見通す上での基本になっていると考えますので、お答えをいただきたいと思います。 以上です。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 幾つかについて私の方から答弁します。残余は関係部長の方から答弁いたします。 最初に、予算を節約して事業を完了したものを高く評価をするシステムというのは考えたことがあるのかというお話でございます。実はついこの前の新聞に和歌山県知事が同じことを言っておりました。予算を残したら、その分については来年度考えてやるよという話をしておりました。そういうシステムを考えるんだと言ったおりました。実は昨年の11月だったでしょうか、朝礼のとき私も同じことを申し上げたのです。「一遍予算をつけてしまったからといって、年度末まで全部こなさないと来年の予算に影響するというような心配はするな。怠慢でもってやらなくては困る。困るけれども、やるべきことをやらなければ困るけれども、残すべきものは残したことについては大いに評価をしたい。場合によってはその分については来年度余計予算つけてやってもいいよ」というような話をしておりまして、事務的にもそんな検討を今させております。そういう意味でそういう議論はしたと。また同時に考えているということ。時間がありませんので簡単に申し添えておきます。 それから特別会計、企業会計の繰出金についての具体的な議論をしたかという質問でございますけれども、これは大変議論をさせていただきました。病院会計、国保会計、上水道、下水道、さらにまた厚生施設組合、これらを今議論しないと、今おっしゃるような心配がございます。一般会計から繰り入れてくれるものだという形でもって企業会計が運営されていくと大変な大きな課題になってくるというようなことで、病院問題につきましても大変何回も病院側等も交えて財政も含めて議論をさせていただき、ただ単に増床の当市の問題だけでなくて、あとのランニングコストはどうなるんだという議論までいたしましたし、いるところでもございます。個々につきましても、未納者をどうするんだ、あと今の給付をどうしたような格好でもって二重三重に受給している人たちを食いとめるんだ等々の問題を含めて、これは国保自身、全体的に構造的な問題はございます。一番金のかかる分野に一番支払い能力のない方々が集まった国保、能力がないと言っては語弊がありますけれども、いいところについては共済あるいは政府管掌等でもっていって最後に国保に集まってくる、この仕組み自身大変な問題がございますけれども、議論をいたしております。 下水道につきましても、一部の市街化区域の一部の中の二十何%の方々でございますけれども、もう既に300億円という資金を下水道に投下しているのです。これらを含めて今の使用料その前にどうだというような議論もありましたけれども、これは今からの課題ということになっております。厚生施設組合につきましては、先日の11番議員のごみの焼却等の負担の問題等も含めた議論も出始めているところでございます。14~15億というような膨大な今からのごみに対する支出をどうしていくか、当然議論をされていかなければならない問題だと思っておりますし、議論もしてまいりました。 時間がありませんので端的に申し上げますと、市の経済見通しということでございますし、ただ富士地域であるとか富士宮であるとかというような、地区全体の経済見通しを統一的にどういうふうになってるんだという議論をする場所というのはなかなかないんですね。商工会議所、金融機関も含めて一遍そういう機構をつくってみようじゃないかという提案は今いたしておりますが、そういう富士市との経済関連を含めて、全体の日本の経済構造との関連ももちろんありますので、そういう問題を含めて議論し、分析する機関をぜひ持ちたいと思っております。個々の工業統計、商業、農業センサス等の統計はございますけれども、これだけ激しく移るとその時代に合っていかないという問題もございます。 余計な問題はさておきまして、市と会議所でもって市内の企業の景気動向調査を行ってみますと、製造業では売り上げ面で明るさが見られる有力企業といいますか、かなり出始めておりますけれども、他の分野では回復に向けての力強さというのは感じられてこない。弱含みで推移をしているということでございますが、製造業でも明るさは見られるとはいいながらも、一部の家電あるいは自動車関連、こういう面で採算自身が非常に厳しい。これは国際間のコスト競争に対処するために地元の企業というのが大変、受注は増えたけれどもコストの方がなかなか厳しい、収益の方が厳しいというような傾向が強くなっている。また、税制面から調査をしましても、大手企業の一部については円安や企業努力で経営内容が上向いているようなこともありますし、かなり具体的に昨年1年で設備投資を、いつか報告してありますけれども、増えているという企業もございます。そういう面では平成8年度よりは9年度の方が明るさがそういう面については見られるのではないだろうかと。ただ、農業、商業、観光、こういう面では大変厳しい状況だというふうに言えるだろうと思うのです。 また、今大手と言いましたけれども、一部の中小企業の中でも、特に不況は一種のベンチャービジネスのチャンスだというような意味も含めて新しい問題に挑戦をしている幾つかの企業もございまして、これらの成り行きも特に注目もしていきたいと思っております。 今御質問の手島議員さんのところのHKSさんなんかも、この前テレビでも拝見しましたけれども、北海道では4気筒の飛行機までHKS生産のものが飛んでいるというようなものを拝見いたしまして、大変大きな積極的な事業展開も考えていられるようでございますので、これを地元でもって頑張ってきた元気企業、こういうものに対する動向、あるいは市の行政でお手伝いできるものがあるならばなるべくお手伝いをしていくべきだと思っております。 いずれにしましても安らぎと活力、標榜いたしましたけれども、この活力の分野につきましても、今後とも産業界と一緒になって努力をしていきたいと。そういうことによって法人市民税をどうしたら増えるか。富士の体質と財政的な体質が基本的に違うところはその辺でございますので、納税のランキングを見ても、富士税務署管内でもいつも上へ出てくるのは富士、富士、富士、富士という格好でございますので、我が富士宮もちょくちょく出てくるように努力をいたしたいと思っております。 以上です。 ○議長(太田美好議員) 企画部長。 ◎企画部長(中村伸介君) 投資的経費の中で特に事業採択された以外の投資的経費の10%シーリングの関係でございます。これにつきましては、前年度対比で90%を限度とする額で要求するように通知をいたしたわけです。でありますので、要求を出しても、その中で査定によりまして予算づけを行うわけでございますので、90%出てきたものを全部を認めると、こういう方式ではなくて、その中でも特に必要なものであれば90%以上の予算づけも考えるわけでございます。そういう中で90%の一つの目安というのは、採択事業以外に投資的経費を90%、財政規模を一応にらんだ中でこのくらいのやっぱり要求額の中で査定をしていかないと最終的に予算がまとまらないと、こういう一つの目安の中からその10%シーリングを設定してございますので、決して要求の90%を全額認めると、こういう既得権の考え方ではございません。 それから、ゼロサムベース方式、これを検討したことがあるか。これにつきましては行革の中でも提案してございますが、財務会計システムを構築するということで、行革の中の実施計画に盛られております。そういう中でこれらの方式についても十二分に検討してまいりたいと、こんなふうに考えております。 それから、予算を節約した事業を完了したもの、これについては市長からちょっと触れられたわけでございますが、予算要求はもとより、査定に当たりましても無駄な経費を排除すると、こういう立場で予算査定を行いますので、できる限りこういう繰り越ししたり余ったりする経費というのは極力この段階で節減を図って予算査定を行う、また予算編成を行うわけでございます。そういうことで、これについては事業費が確定をして事業が執行されれば、確定されれば、その確定経費でその補正予算の中で減額補正をお願いすると、こういうことで各部課に通知をいたして、そのように実行いたしておるわけでございます。当然予算執行の場合で創意と工夫をもって100でやれる事業を例えば90でやれたということについては、これは職員の各部課長が評定をしております評定調書、こういう中に職員個々の創造性であるとかいろいろあるわけですね。そういう勤務の調書の中でこれは当然あらわれてくると。でありますので、人事の中でこういうものも大いに活用といいますか、していけば、私はこれは十二分に生かされるのではなかろうかと、こんなふうに考えております。 それから、補正予算の関係でございます。補正予算の関係でございますが、御案内のとおり、予算は1会計年度間の計画の見積もりをあらわしたものでありまして、総計予算主義というのが予算編成の大原則でございます。1年間のすべての収入支出を盛り込むのが原則でございます。しかしながら、年度中途で新たな問題、あるいは政策的な変更、それから制度改正、こういうものがあった場合には、これは最小限度に補正をしていかざるを得ない。でありますが、あくまでもこれは必要度、緊急度等を十分勘案する中で、その限度を最小限にとどめて補正はすべきである。ですから原則はもう1年の最初の予算の中で総計予算原則に基づいて1年間のすべての収入支出を計上、盛り込むのが原則でありますので、議員のおっしゃるように、これについては同感でございます。 それから、今回の消費税の徴収や手数料の改定などを通じて収入増を図っているが、その収入増を市民にわかる形で市の財政の改善あるいは福祉の向上にどのように使うかという議論があったかないか、こういうことでございます。これは厳しい財政事情の中で平成9年度は消費税5%、それから住民関係、あるいは税関係の証明手数料、こういうものを昭和60年以降見直しを行っておりませんでしたので手数料の改定見直し、それから地方分権、地方福祉の充実のために、このたび創設されました地方消費税、県税として徴収をして市に交付される、こういう新たなものを予算措置をしたわけでございます。 このような歳入の中で、特に将来の財政負担となる市債については、先ほど申し上げましたように7億円余減額をして健全な財政運営に意を注いでまいると。それから歳出については、民生費については57億8,664万4,000円と、対前年比で12.8%の増、それから衛生費については45億8,277万1,000円、16%の増、合わせて歳出予算額の31.9%を予算構成比でこの民生、衛生費に予算づけをいたしたわけでございます。これはやはり市民健康、市民福祉の増進のために予算づけをいたしたわけでございます。 いずれにせよ大変厳しい財政事情にあって、この増を即そのままこういう予算に振り向けるかということは、一般財源全体の問題として、そのような中に増分を歳入として入れて、その中から重点施策の推進のために配分をしていく、有効的に配分をしていく、こういうことになるわけでございます。でありますので、極力市民にわかりやすいような予算あるいは決算の中でもそういった方向で進んでまいりたいと、こんなふうに考えております。 ◆3番(手島皓二議員) ありがとうございました。質問の仕方について一部手違いがありまして、一言おわびをいたしますとともに議長の御配慮に感謝をしたいと思います。どうもありがとうございました。 ○議長(太田美好議員) この際、暫時休憩いたします。 午後の会議は1時から再開し、一般質問を継続してまいりますので、よろしくお願いします。 暫時休憩いたします。                                     午後零時00分休憩       ────────────────────────────────                                     午後1時00分開議 ○議長(太田美好議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 8番 日原貞二君の質問を許します。8番。                〔8番 日原貞二君 登壇〕 ◆8番(日原貞二議員) 一般質問をいたします。 納税者であります傍聴席の皆さん、連日御苦労さんでございます。2月定例会における一般質問も、施政方針を残すとは申せ、連日2日間と本日の午前中で当面する諸課題について論戦が行われ、実施するもの、よく検討し実施していくべきもの、あるいはまたそうでないもの等、市民がよりよい生活をすることができるために真剣に討議がなされてまいりました。蛍の問題、毎日飲んでいる水の問題、生活することによって発生してくるごみの問題、派生して起こる公害問題、給料をいただいてくるために毎日通う道路の問題、今後ますます重要視されてくる福祉のこと、病気になったときの病院やお医者さんの問題、富士宮市にとって最も重要な歳出歳入に係わることなどなど、まさしく切羽詰まった事柄について議論がなされてまいったところであります。冒頭、質問の格調の高下について言及されておりましたが、私が最後でありますので、しばらく御辛抱くださいますようお願いをいたします。 「立ち往生」という言葉がありますが、人間、前に向かってだけ進んでいるとき、えてして壁にぶち当たり、砕け散ってしまうことがありがちでありますが、その一歩手前で立ち往生するわけでありますが、立ちどまるだけならまだしも、往生をしてしまっては困るわけであります。まして12万人余の人口を抱える自治体にとってはなおさらのことであります。 そこで私は、ここでちょっと立ちどまり、角度を変えて、静岡県富士宮市という地方自治体は一体どういうものなのか、その誕生を思い起こし、55年の年月を振り返り、さらなる50年、100年後における開けたる富士宮市を展望してみたいという願いから、この質問に及んだものであります。 昭和17年6月1日、思い起こしてみてください。我が国がかつてない敗戦の憂き目を見たあの太平洋戦争の勃発からちょうど半年余りを経て、熱海市、三島市に次いで県下21市中、明治22年4月1日、静岡市、同じく明治44年7月1日、浜松市、大正に入りまして同12年、沼津市、同じく大正13年2月11日、清水市等の中で7番目という早い時期に、先人の卓見により旧富丘村を合併し、富士宮市政を施行いたしたのであります。時あたかも本年は我が子の年を数えるがごとき55年の長き節目の年であります。私たち人間社会においては、いよいよ脂の乗り切った働き盛りの時期で、特に女性においてをや、まさに飛躍の年代に入ったとも言えます。 そこで今日に至るまでの我が富士宮市政を振り返ってみることが、明日への富士宮市の発展を考えるために必要であると思うものであります。ちなみに、我が新世紀の会の綱領の1項目に「温故知新」があります。 さて、一口に55年と申しましても、この50年は日本の歴史においては200年にも、あるいは300年にも匹敵する半世紀でありました。戦中戦後の混乱の時代から高度経済成長の時代、バブル経済崩壊後の先行き不透明な時代、そして今日の高度情報化社会の到来による国際化の時代へと、まさに昭和から平成へと続く激変の日本史そのものであったと言っても過言ではありません。 富士宮市においても同様でありまして、新憲法のもとで新しい地方自治制度がしかれたものの、経済復興途上という激しい情勢にあって、富士宮市は昭和31年には地方財政再建特別措置法の適用を受けて赤字再建団体となることを余儀なくされたのであります。つまり、これは一種の倒産であります。その後、昭和33年には北部4カ村との合併をなし遂げて現在の市域を形成するとともに、再建団体を脱却し、発展への足がかりをつかんだのであります。繰り返し発生する災害と闘い、道路や上下水道等の都市基盤を整備し、富士フィルムを初めとする企業誘致や産業の振興に力を入れ、義務教育施設、社会体育施設等を充実させ、今日、人口もようやく12万人を超えるに至ったのであります。55年に及ぶ激しい道のりを一歩一歩切り開いてこられた歴代の市長、議長、先輩の市議会議員、そして当局初め関係機関の皆様に、満腔のとは申しませんが、心から敬意を表するものであります。 しかしながら、この間においては、人間の体に例えるならば、大病に冒され、大手術を行うがごときダブルリコールなどという人聞きのよくない市政混乱の時期もあり、富士宮市の発展に比類なき支障となったことについて、大きな教訓として認識しなければならないものと考えます。 さて、ここで市長にお伺いをいたします。渡辺紀市長は第15代市長として就任をされました。富士宮市発展のための基礎、すなわち安定市政樹立の役目を背景に前市長よりバトンを引き継がれ、2期目の後半に差しかかるわけでありますが、この間、和の政治を掲げられ、混乱にピリオドを打ち、懸案の諸事業を推進されてきた業績は高く評価されるところであります。 そこで、この市制55周年を機に、一方において安定したとは申せ、この困難な社会経済情勢の中、市民が希望の持てる飛躍せる市政に向かっての取り組みについて、まず市長のお考えをお伺いいたすものであります。ここで答弁をお願いいたします。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 日原議員にお答えを申し上げます。 古きをたずねて新しきを知ることが我が会派の一つのテーゼになっているというようなことを踏まえて、改めて55周年を前に富士宮市の市政としての歴史を振り返りながら、今日までたどった道につきましてもるる御説明があったわけでございまして、まずその取り組みに心から敬意を表するわけでございます。今もお話がるるございましたので詳しい話は略しますけれども、確かにおっしゃるように終戦前の戦争のさなかの昭和17年6月1日に大宮町と富丘村が合併をいたしまして、県下7番目という市として富士宮が発足をしたわけでございます。当時の人口3万4,000という数だったわけでございますけれども、やがて終戦を迎え、その間にはB29が富士宮に落ちる、墜落されるというような事件等々も戦時中の事件もございましたし、大変な戦争の渦中でございましたけれども、引き続いて戦後の混乱を乗り越え、そして昭和30年には富士根地域、旧富士根村と4月1日に合併を果たしたわけでございます。いろいろな議論があったようでございますけれども、結果としては県の当時の斉藤知事等も中へ入って富士根村との合併をなし遂げた。当時の市長が、たまたま今、小室議員さんのおじいさんの小室鶴松さんのときであったというふうに富士宮市史には書いてございますけれども、そのときだったわけでございます。 当時、北山、上井出も一緒に3村の一緒の合併というのが議論されたようでございますけれども、結果としては北山、上井出が見送られて富士根との合併になってということでございますが、さらに国・県を含めての合併推進の動きにこたえて、33年4月1日に上野、北山、上井出、白糸、いわゆる北部4カ村の合併となりまして、今日の富士宮市が誕生をしているわけでございます。 今お話がありましたように、歴代の市長さん、あるいは町村長さん、あるいは各議会の議員の皆さん方の大変な努力の跡が富士宮市史の中に事細かく載ってございます。我々は歴代の血のにじむような努力の中で今日があるということを、今おっしゃるとおり、常に忘れてはならないというふうにしみじみこの合併を契機に思い起こすと同時に、こういう契機にさらに新しい時代に向かって現代を築き、未来を展望していく、しっかりと次の世代にバトンを受け渡していく責務があるということをこういう機会に過去を振り返りながらしみじみ考えるわけでもございます。 その間、昭和30年の合併当時はいわゆる神武景気という言葉がはやったころでございます。その前後して、その2年ぐらい後だと思いますけれども、「もはや戦後ではない」というような経済白書が出されたというふうな時期でございまして、日本の戦後の景気の黎明期、まさに今の高度経済成長の基礎が築かれつつある時代でもあった。 さらに4カ村合併された33年には神武の次は何だということで、さらにさかのぼって岩戸景気という言葉がはやった時代でもございました。そういう戦後の復興を前にして、富士根、北部4カ村の合併が遂げられて、富士宮市もその復興の中でもって、今お話のございました新しい水を中心にした化学関係の企業の誘致等にも成功しまして、そして今日の財政の礎にもなっているということも同時にまた忘れてはならないことだと思うわけでございます。 以来、お話がございましたように、神武、岩戸の次にはいざなぎ景気だなんていうような言葉も出たこともございましたし、さらにオイルショック、2回のオイルショックを経験し、そして平成景気と言われる平成3年までの好況が続いて、いわゆる未曾有の日本の奇跡とまで言われた高度経済成長の時代を経て、そして平成3年以来の、再三議論されております戦後一番長いと言われている今日の長期不況を迎えて今日に至っているということでございます。 この間、考えてみますと、今日ぶつかっている不況というのは、今までの合併されて戦後の景気が伸びてきた時代のいわゆる景気循環論としての好況・不況ではなくて、産業構造自身が大きく変わっている国際的な経済の中での一種の構造変革だという受けとめ方をする中で、市の行政もさることながら、同時に市の経済をどういう格好でもって再構築をしていくかという議論もあわせて現在行わなければならない時点で、今まさに我々は戦後合併以来の55年を迎えようとしている。こういう位置づけの中でもって市制55周年がどういう年になるかということを展望していかなければならないというふうに考えております。 いろんな行事も考えたいわけでございますけれども、この前市制50周年を大変盛会に御協力でもってやらせていただいて、いろいろな関係予算も組んで、もう5年たったのかという感をいたしておりますけれども、いろいろなことをやりたいこともあるのですが、再三議会で議論されているような大変財政難の折でもございます。余り派手なぱっと金のかかるようなことがなかなかしにくいなということで、今各部課を通して来年やるいろいろな事業、いわゆる記念事業というのは、50周年のときもそうでしたけれども、市制50周年記念何々大会というような、今まで毎年やっていることでも、それを冠事業と言っていますけれども、上へ「55周年記念」というような冠をくっつけて記念大会にする、記念事業にするという手法も数多く行われておりますけれども、それらについてもやり方を変えることによって記念事業になるというような問題も多々ございますので、そのものを含めて現在各部課を通して考えていることを出させて、今から本格的な組み立てをやっていきたいと思っているところでございます。 どんなことを今考えているんだ、通常やっていること以外に出てきましたことを申し上げますと、まず、毎年5年ごとの節目でやっている6月1日に、今年はたまたま日曜日になりますけれども、やるところの市制施行55周年記念式典、これは市政功労者の表彰を踏まえて現在選考をやっておりますけれども、その功労者表彰を踏まえて市制の55周年の記念式典をやる。同時に、5年ごとに発行している市勢要覧を現在編集いたしておりますけれども、それをつくって全戸配付をするというような5年ごとの恒例的な事業というようなものをまずこれは考えております。 同時に、新しい仕事でもって55周年の記念にふさわしいものはないかいろいろ議論をいたしてまいりましたけれども、一つは、たまたま予算の中にもお願いしてございますけれども、石川知事等が大変熱心に提唱しております富士山の100年プロジェクトでもってということで3776運動。富士山を 100年かけて自然林の濃いものに復元していこうというような運動を提唱しておりますけれども、その一翼をまず各市町村に先駆けて市有林にひとつ約1ヘクタールくらい、これをひとつ記念林として植え込みをやっていこうじゃないかというようなこと。それから50周年記念で大変好評でございましたし、今からの国民休暇村という問題もございますので、田貫湖まつりをもう一遍復元してやろうじゃないかという観光面での構想。それから県立美術館が移動美術展を市町村でやってもいいというような話もございますので、これも記念事業でもってひとつ検討してみたらどうか。あるいは市の絵画等の収蔵しているものについて、これを公開するような展示会をやったらどうかというようなことがありますし、新しくまた、先ほども議論がありましたけれども、商工展というようなことをやりまして、商業、工業、富士宮の現時点におけるところの産業の、農業祭は毎年やっておりますけれども、商工についての富士宮の商業・工業部門の70社くらいの展示によるところの出品展のようなものを考えていきたいと思っております。 50周年記念でやりました武術大会というのは大変好評でもございましたので、沖縄空手の人たちもまた来たいというような意向もございますので、中国との連携を兼ねて富士山のもとの武術の交流大会というようなものもやってみたいと思っておりますし、富士宮の「私の主張」というようなことを青少年を中心に計画をしてみたいと思っておりますし、同時にまた県大会としては社会福祉大会を来年の10月、富士宮でやることを予定しておりますので、市の社会福祉大会を、これを契機に福祉の重要性を伝えていくというようなことも55周年として考えていきたいと思っております。 同時に、今までやってまいりました事業もたくさんいろいろございますけれども、それは略させてもらって、宮おどりもあの50周年でやって大変好評でございますので、今年はたまたまテレビ局等との提携ができたようでございますので、24時間テレビと連携をして宮おどり大会、24時間踊っていることができるかどうか、これは別でございますけれども、いずれにしてもテレビで全国中継をしてもらうというようなことで宮おどり大会を特に全国へのPRを含めてテレビとの提携を進めていくというような企画も現在担当の方で立てております。 その他いろいろな毎年やっている行事につきまして十分な検討を重ねて55周年の記念事業を考えていきたいということでございますが、目に見える問題はそれとして、いずれにしても先ほど言いましたような行政面でも経済面でも大変な転換期に立っている現時点を意義あるものとしてしっかりと見つめ直して、未来に向かっての展望の開けるような記念の年にしていきたいと思っておりますので、またいろいろな御提案等ありましたら議会の皆さん方からも種々御提案をいただければありがたい、また御協力をぜひともよろしくお願い申し上げたいと思うわけでございます。 以上で記念事業についての御答弁にさせていただきます。 ◆8番(日原貞二議員) ありがとうございました。市制施行55周年に当たり、その歴史的意義と今後の施策については、市長の取り組みについて大方の理解をいたしました。若干の要望もございますが、時間の都合もありますので、次項の質問を先に済ませて、時間があれば要望と質問をさせていただきます。 それでは、引き続き退職予定部長にお伺いをいたします。先ほども市政の経過の中で申し上げました、富士宮市が財政的に最も苦しかった赤字再建団体から今日の発展までの間、市とともに歩んでこられた職員の方々、特にこの市制55周年とその機を同じくして満60年の定年を迎え、この3月31日に7人の有能にして優秀なる部長職の皆様が退職されるということがローカル紙に報道されておりました。富士宮市の頭脳としてその手腕を発揮し、市長を補佐した功績はまことに大なるものがあります。在職期間も33年から39年の長きにわたるそうでありますが、この間本当に御苦労さまでございました。 そこでこの激動の激しい時代、あるいは政治的にも大きな変化があった時代に富士宮市職員として在職された皆様に、その豊富な経験をもとに、今後の市勢発展のために率直な御提言や御意見がありましたら、ぜひともお聞かせをいただきたいと思います。 事あるごとに議会と当局は車の両輪に例えて比較され、また、その双方がともに協力し合って前へ進むことの是非が問われます。仏教哲学でいうなれば、市政という城壁を境にして双方ともに悲願であります。過去においてこちらの岸からそちらの岸に向かったものはまずないと思いますが、そちらからこちらの岸に上がったものは数多くあると思います。もしあるならばこの際、せっかくの機会でありますから、この場において意思表明をなさることもまた大いに結構と存じます。御退職となる各部長の皆様、時間等も考慮しながら順次お答えくださるようよろしくお願いをいたします。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 部長への質問でございますけれども、その前に答弁のいろいろ打ち合わせをした際に、みんなでもって余り長い時間話してしまうとあれだから、まあ3分ぐらいでもっておさめようかという打ち合わせも皆さんしたようでございますので、その前に一言だけ私の方からも御答弁と別の意味で申し上げたいと思いますけれども、今7人の部長というお話もございましたし部長に対する御質問でございますけれども、ほかに今年は、去年定年が1年延びたということもあって、27名もの多くの30年から40年市に勤務した職員が退職をいたします。これはしかし、まだ今から予算委員会もあるし、いろいろ1カ月近くあるわけですから、今日退職のあいさつみたいなことをされてしまうと困りますので、そんな意味でひとつお聞きにならんようにあえてお願いを申し上げる次第でございますけれども、それぞれ所感の一端は述べてくれるものと思っております。 同時に、今の27名を含めまして、この3月31日には離任式もございますので、私からも今言った戦後の大変な混乱を頑張ってきた皆さんにはお礼を申し上げたいと思いますけれども、まだそれは早うございますので、あえてこの席ではそういうふうな話し合いがあったということだけを御報告をさせていただいて、各部長の所感に移らせていただきたいと思います。 ○議長(太田美好議員) 企画部長。 ◎企画部長(中村伸介君) ただいまは身に余るお言葉をいただき、まことにありがたく感謝を申し上げます。私たちが役所へ入ったのは、ただいま議員からお話がるるあったわけでございます。当市が非常に財政的に厳しい国の管理指導下に置かれておる赤字再建団体特別措置法の適用を受けた年、それからその直後であったわけでございます。当時、我々の先輩が二度とこのような財政状況下にいたくないし、またそういう状況になってはならないと、こんなことを私どもに指導してくださった言葉が思い出されるわけでございます。 その後、ただいま市長の御答弁にありましたように、いろいろと岩戸景気から始まって、景気、不況、景気、不況と、そういった繰り返しで今日に至っておるわけでございます。そういう間において、私は幸いにも昭和52年に議会の当局の末席に席をとらせていただきまして、いろいろと財政問題について担当をする機会が長かったわけでございます。そんなことで当時を振り返ってみますと、当時は財政が不況、経済状況が不況であっても、必ず2~3年後には好況が訪れると、景気が回復すると、こういった景気の見通しの中で予算が立てられたわけでございます。しかしながら、今日の経済不況はバブルがはじけて、その後全く見通しがつかないような経済状態にあるわけでございます。 そういう中で特にいろいろと議会のいろいろな委員会等を通じて出てきた問題が地方分権の問題でございます。地方分権がいや応なしに地方に権限委譲とともに押し寄せております。押し寄せてという言葉が適当かどうかわかりません。それに財源が伴えば全くこれほど真の地方自治の確立にはまたとない機会であるわけでございます。 そういうことで、このままの市の財政状況では市は恐らく行き詰まってしまうだろう。そういう中で今後激化する都市間競争、それに打ち勝つためには、現在の市域の範囲だけではとても受け皿としては小さ過ぎると。やはり2市1町というような一つの広域圏の中で市域を外して一つの行政体となって今後のまちづくりに対する財源確保、そういうものをやっていく時代ではなかろうかと。自分たちの市で財政力をつけて、その財源で自分たちのまちをつくっていくと、こういう時代の到来であるというふうに考えるわけでございます。 そういうようなことで、現在の市町村圏の事務協議会をさらに発展的に解消して、その後に広域都市をつくっていく、やはりそういう準備に取りかからなければならない時期がひしひしとして迫っておるというふうに考えられます。今後においてはこれらの問題を中心に行政課題として早急に取り組まなければならんわけでございますが、そういう意味において、この広域行政の必要性をひしひしと感ずる今日このごろでございます。 大変長らくありがとうございました。 ○議長(太田美好議員) 総務部長。 ◎総務部長(遠藤伸一郎君) 大変地味な人間でございますもんですから、地味なことを申し上げまして意見とさせていただきたいと思います。 やはり市の行政をやっていきますのは職員でございます。人間でございます。人間の、職員の姿勢が行政を動かしていくと言って過言ではないというふうに思います。三十数年間市役所に在職させていただきまして、今幾つかの、幾つかというよりたくさんの反省があるわけでございますが、そのうちの一つを申し述べさせていただきたい、このように思います。 地方自治法を通読する回数が大変少なかった、これが実感でございます。私どもの仕事は地方自治法に基づいて仕事がされるわけでございますけれども、私が経験しました仕事、社会教育、広報広聴、防災、それから戸籍・住民登録、そして福祉、これらを通して考えましても、それぞれの仕事をやっていく個々の法律がございまして、あえて地方自治法を読まなくても済む場合がたくさんございます。現業課の例えば土木関係に携わっている職員もきっとそうだろうというふうに思います。個別法さえ熟知していれば地方自治法を読まなくても仕事は進んでいく。間違いないと思います。ただ、地方自治法を熟知しますと当然行政に取り組む姿勢のスタンスと申しますか、そういうものが変わってくるのではないかというふうに思います。 住民という問題、それから予算という問題、地方自治という組織の問題、その他多くのことが書かれているわけでございます。この際、職員の皆様にぜひ地方自治法を座右の書にしていただきまして、私が三十数年間たって、いや残念なことをしたなというふうに今感じていることを皆さん方がされないように私の感じを述べさせていただきまして、今日この機会を与えていただいたことに対する答弁といいますか、意見の提示といいますか、ということにさせていただきます。 大変失礼いたしました。 ○議長(太田美好議員) 経済部長。 ◎経済部長(松浦眞君) 3月末日をもちまして29名の同僚とともに退職するわけでございますが、このような機会をいただきまして大変恐縮をしております。まだ総括質問、予算審査特別委員会もありますので、そのことが精いっぱいでございまして感想を述べる心境ではございませんが、せっかくの機会でございますので、一言だけ述べさせていただきます。 私は、富士宮市が地方財政再建促進特別措置法によります赤字再建団体でありました昭和31年に臨時職員として市役所に入りました。以来40年にわたりまして務めさせていただいたわけでございます。この間14の部課で仕事をさせていただきました。その間に大変多くの市民の方々と仕事を通して知り合うことができましたことが、何も取り柄のない私にとりまして大変大きな財産になっていると、このように大変ありがたく思っております。 また、この間私は職員組合の仕事も経験をさせていただきました。当時、県下で下から2番目でありました富士宮市の職員の給与を、生活基盤の安定のために何とか他市並みに引き上げたいと、先輩、同僚とともに努力をいたしまして、歴代市長さん、歴代議長さんはじめ議員の皆さん方にも条例改正等に当たりましては大変な御理解と御協力をいただきました。今後、市財政が一層厳しさを増してくることが予想されるわけでございますが、市当局及び市職員に対しましても大変厳しさが求められてくるとは思いますが、そういう中にありましても、市民生活を守り育てる第一線で働く市職員の人件費に対しましては、厳しさを求める中にありましても温かい御理解と御支援をお願いいたしたいと思います。 おかげをもちまして、40年間にわたりまして健康にも恵まれ、市民生活の第一線の市役所で働けましたことに誇りを持ちまして退職できますことを厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。 ○議長(太田美好議員) 建設部長。 ◎建設部長(池田晃君) 私は、昭和34年に富士宮市の水道を皮切りに役所に御縁になりました。私が市役所の水道に入りましたときには、弓沢線から以南が給水区域でございました。非常に給水区域としては狭いところでございまして、上野の椿沢の水源を御理解をいただきまして富士宮市の水道を引いたのが、これがきっかけでございます。道路といいますのは水道管を埋けるためにあるんだというような認識さえ一時は持ったこともございました。しかし、今日立場が変わってきますと道路というものは水道を埋けるためにあるんじゃないよと、こういうことに認識の変化もあることも事実でございます。 そういう中で、今私が携わっている仕事といたしましては、何にしても市民からの要望も非常に多いわけでございます。今現在の市民からの要望の件数といたしましては、道路関係だけでも918件、金額にいたしまして140億円という多額の要望がございます。これを対応していきますにはどうしても建設部に対する要望はまず安全で便利で安心して使えるものの要望がまず最初でございます。その中にさらに担当者として工夫をしていかなければならないのが経済的な工夫というものがなくてはならないものだ、このように考えております。安全性さえ確保できさえすれば、1度使用したものもまた再利用することが十分可能ではないかな、こんなことで利用もさせていただいておるところでございます。 最近、阪神・淡路の地震あたりから耐震性という問題も非常に叫ばれております。これにつきましては、それらの補強工事、特に橋りょうにつきましては落橋防止というような対策も進んできているということもございます。これにつきましても、診断の仕方から補強工事につきましては多額の金がかかっているわけでございます。またさらに、その後交通安全というものにつきましても、歩道の幅の見直しだとか、あるいは身体障害者にやさしいまちづくりの時代であるというようなことから非常に考え方が変わってきているということも事実でございます。 また、雨水対策につきましても、市街化が進むにつれまして非常に雨水の量が1度にたくさん出るというようなこともございまして、昔のような道路側溝、あるいは水やりでは対応できないというのが現状でございます。流域を考えた都市下水路、公共下水道の雨水対策としての事業も大型化してきていることが事実でございます。いずれにいたしましても建設ということになりますと非常に市民の皆さんのとうとい用地の提供もいただかなければならないな、このように感じておるところでございます。 第2といたしましては、幾ら立派な施設をつくりましても維持管理にあるなと、このように思っております。この維持管理につきましては、最近はいろいろな設計の諸条件、周辺の環境条件、厳しい中で物をつくりますとどうしても鋼材に頼る面が多くなってきております。そういうことになりますと、この塗装の点検というものが施設の寿命を伸ばすことになりまして、ひいては経済効果にもつながるというようなことになろうかと思います。そんなことにも心がけてきたつもりでございますが、まだまだ行き届かない面がたくさんあろうかと思います。これにつきましても今後定期的な点検をやっていただきたいなと、こんなように思います。 第3といたしましては、何といいましても用地の取得とその処理でございます。現在、市道があいておりましても未処理の件数がたくさんあるということで、平成8年の12月現在で2,716件、5,498筆の未処理がございます。これにつきましても職員一丸となって苦労をしているところでございますが、なかなか金額的には幾らだということであらわすことができない難しい問題があろうかな、このように思っております。これらの処理も一日も早くすることによりまして、明るい、そして安全で、しかも正確なまちづくりにつながることと思います。 以上、要点を申し上げまして私の所管とさせていただきます。ありがとうございます。 ○議長(太田美好議員) 市立病院事務部長。 ◎市立病院事務部長(遠藤勝己君) 今後の市勢発展のために率直な提言や意見を聞かせろということでございますが、答弁になるかどうかわかりませんが、一言御答弁させていただきます。 私は、昭和37年1月に採用になりまして、富士写真フイルムを誘致する事務を行っておりました工場誘致事業局に配置になりました。5名の職員で仕事をしておったわけでございますが、以来35年と3カ月勤務をさせていただきました。大変ありがとうございました。市役所に入りまして、当初からフイルムの用地交渉、あるいは鉄工団地の用地交渉、聖苑の用地交渉等、市民と直接に接することも多かったわけでありますが、そういう中で市民はありがたいものだなあと思いました。というのが、こちらが誠意を持って当たれば絶対それにこたえてくれる、これが経験的に私が体得したところであります。 今は市立病院に配属されておりますが、私の病院の経営の理念というようなものを少し申し上げたいと思います。一つ、医療技術者は最新の技術で示せ、二つ、看護婦は心のこもった温かい看護で示せ、三つ目は事務でございますが、二つありまして、市民が安心して治療を受けられる環境をつくれ、もう一つ、数字で示せ、こういうことでございます。 私がここでいかに偉いような顔をして偉そうなことを言っても、赤字を出しては市民の皆様に済まないと思っているところでございます。あと残り少のうございますが、少しでも経営の改善に努力していきたいと思っております。 私たちは毎日何十人もの市民と接しております。市民のありがたさを身にしみて毎日をやっております。少し早いようでございますが、4月1日からは私も一市民であります。一市民として市勢発展のために私のような者でもできることがあれば陰になりひなたになって協力していきたいと思っております。 御答弁になったかどうかわかりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。 ○議長(太田美好議員) 工事監室長。 ◎工事監室技監工事監室長(山田幹雄君) 本会議において議員の皆様方の前で発言を得ましたこと、心よりありがたく、大きな体験として心に刻まります。 私は昭和39年2月1日から本日まで34年間、市の技術職員として働かせてもらっております。初めに林政土地改良課、道路課、下水道課、工務課、そして現在工事監室に籍を置かせてもらっております。この間、技術的なこと、事務的なことを実践的に勉強させてもらいまして、本当に大きな成果だと思っております。仕事があるから人に接し、対応でき、勉強もし、人間大きくなっていくものと思います。 現在の業務でありますが、設計審査、竣工検査、中間検査、工事検査をさせていただいております。その中で特に機器の工場検査でありますが、二つの意義があると思います。まず一つは、品質、機能、作動面が仕様書どおりに確保されているか、二つ目は、工事延長防止であり契約工期が履行されるかどうかであります。このことを事前に検査することが必要であると思います。もし工場検査もせずに現場に搬入され設置されたとするならば、もし少しのミスがあったとしたならば、これはまた工場に持ち帰り、再度組みかえをし、また現場に搬入されなければなりません。そうしたならばまた工期を大幅に変更しなければなりませんし、体制として本当に大変な問題が大きく影響されることになってくるわけでございます。今までそのようなことが発生しませんでしたので、本当にありがたいと思っております。工場検査の必要性を考えたときに、これからの検査に携わる職員の方にも十分な知識を持って確信ある検査をされますよう望みまして、私の所感とさせていただきます。 本当に長い間ありがとうございました。 ○議長(太田美好議員) 農業委員会事務局長。 ◎農業委員会事務局長(植松陛一君) 発言の機会を与えていただきましてまことにありがとうございます。 私は昭和37年の4月から今年でちょうど35年になるわけでありますが、その間、上司、先輩の指導と励まし、そして同僚の協力、支え等のおかげで大過なく勤務できましたことを思うと、まことに感慨深いものがあり、心より厚く感謝を申し上げる次第でございます。 今、退職を目前にして思うことは、いつも命ぜられた部署の中で市民のために何をしなければならないかと考えるとともに、できるだけ市民に接し、どうしたらよいか考えながら日々勤務をさせていただきました。また、私は環境行政が長かったもんですから、また多くの市民の御理解と御協力のもとに進めたものもございまして、この場をおかりいたしまして厚くお礼を申し上げたいと存じます。そして御指導と御提言をいただきました市議会議員の先生方にも心より厚くお礼を申し上げたいと思います。 提言とはほど遠いと思いますが、一言申し上げますと、間もなく21世紀を迎えるに当たり、これからは規制緩和、地方の時代と言われ、また情報化社会の中にあって市民にとって市の果たす役割はますます大きくなるものと思われます。そして都市間競争も一層増してくるのではないかと思われます。そうした中にあって、財政力の弱い我が市であっても、市民の意向と市と中央に比較的近い地の利を生かし、速くて正確な情報をとらえるとともに、人間関係に重点を置いて事務を行うことによって、行政は一層前進するのではないかと思うのであります。 終わりに、退職後は一市民として市政に協力させていただくとともに、市勢の発展を願うものであります。長い間まことにありがとうございました。 以上をもちまして、退職に当たっての言葉とさせていただきます。 ◆8番(日原貞二議員) 部長さん、大変ありがとうございました。部長さん方にとって余りうれしくない質問であったと思います。また、前例のないことでやりにくかったことと存じます。ましてや明5日には市長の施政方針が行われ、総括がなされるわけでありますから当然であります。 私の真意は、率直に申し上げまして、2年前この席に立ったとき、役所の部長というのは、これは大変だな、生半可ではできないな、よく勉強もしているな、しかしすごい権力も持っているな、私も政治は全くの素人ですから、相当勉強しないと追いついていけないなということでした。給料をもらってやっているのだから、それが仕事だから当たり前だという人々がかなり多くいます。一面、的を射ているでしょう。私の心情を申し上げて長年の労をねぎらいたいと思います。 歩いてきた道はそれぞれ違いましたが、60年前、同時にこの地球上に生まれ、ほぼ同じものを食い、同じような服を着て、どこかで似たような考えを持って生きてきた。頑張ってきた。私たちは当局と議員という立場であればこそ、その感慨もまたひとしおであります。本当に御苦労さまでした。皆様のたった3~4分のスピーチではありますが、短い中にもきらりと光る心情が、御提言が、平成9年2月定例会の富士宮市議会議事録に永久に残ることでありましょう。 さて市長、ただいま私の申し上げてきた中に富士宮市政にとって大事なことが一つあると思います。勇気の要ることです。行政改革、地方分権、ことごとくしかりであります。しかしながら市長、あなたは既に行政改革大綱をつくられ、手をつけられた。これをどのように推進していくのか、その1点だけお伺いをいたしたいと思います。時間もありませんが、あるならばただいまの部長のスピーチに対するコメント等もありましたら、時間がありませんが、時間の許す限りの中で御答弁をお願いをいたします。 ○議長(太田美好議員) 市長。 ◎市長(渡辺紀君) 先ほど来の質問等の端々に、日原議員が本年度退職をされる今の部長をはじめ27名の皆さんと同年代、いわば同級生といいますか、同い年でもあったということもあったろうと思いますけれども、それ以外に職員の今日までの努力に対する適切なる御評価をいただいたということを、市長の立場から私からもお礼を申し上げる思いでございます。 今、再質問でもって行革をどうするんだと。ちょっと予期してなかったのであれでございますけれども、質問がございました。明日の施政方針でも申し上げたいと思うのですけれども、地方分権と行政改革を同時進行させる。しかも、この高齢化、少子化の時代の中でもってこれをやっていく、しかも景気が沈滞化していく中でこれをやっていくというのは並大抵の努力ではないというふうに考えております。 地方分権という名前にかこつけて金を伴わないいろんな権利が市町村に委譲されてくるというときには、勢い今まで県でやったもの、国でやったものを市でやっていかなければいかん。それには人間も必要だし予算も必要だという問題を片方で抱えながら、片方でもって市自身のリストラもやっていこう、大変な仕事だというふうに考えておりますけれども、それなりにやはり全職員の知恵を出して、いわゆる俗に言う鉛筆1本、用紙1枚にしても節減をする中でもって、いろんな面でもってコストの切り下げをやりながら、先ほどお話のございました入るを図り出ずるを制する、そんな考え方に徹底していく中で市民サービスを落としてはならない、こういう大前提の中でもってやっていくということがございますので、まず職員の再三申し上げている意識の改革からまずスタートだというような気持ちを持っております。 大綱に盛り込みましたいろいろな事項は、それぞれ行革スタッフを通して、さらにまた委員会等を通していわゆるフィードバック、かみ直し、かみ直しして実現していく努力を続けていきたい、こんなふうに思っております。議員の皆さん方、先ほど来申し上げておりますけれども、総論は待ったなし、行政改革待ったなし、しかし各論になるとおれは困るよというのが今の国のいろんな新幹線、あるいは公共の高速道路等についてもあらわれているところでございますけれども、ぜひひとつ我が市においては市民の皆さん方の御理解をいただきながら、着実な財政基盤、将来に向かっての安定的な市政経営をやっていきたいもので、よろしく御協力をお願い申し上げたいと思います。 以上です。 ◆8番(日原貞二議員) ありがとうございました。7人もの優秀にして有能なる部長職が退職するに当たりまして、傍聴の皆さんも御参加をいただきましてはなむけになったことと思います。大変ありがとうございました。 以上で質問を終わります。       ──────────────────────────────── ○議長(太田美好議員) 以上で今期定例会における一般質問を終結いたします。 これをもちまして本日の日程は全部終了いたしました。 明3月5日は午前9時から本会議を開き、議案の審議を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 本日はこれにて散会いたします。御苦労さまでした。                                     午後1時58分散会...